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2012年03月21日01:04

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朗読による『林望 謹訳 源氏物語』(サントリーホール ブルーローズ)

3月19日18:30〜 鑑賞。
http://www.kabuki-bito.jp/news/tsukinosuke_20120209.jpg
http://www.kabuki-bito.jp/news/tsukinosuke_b_20120209.jpg

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第二帖 帚木(ははきぎ)
 出演:市川月乃助 / 三木眞一郎
※林望のオープニングトーク

演奏:新内剛士ほか
構成・演出:岡本さとる
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急にチケットを入手できることになって伺った
源氏物語第二帖「帚木(ははきぎ)」朗読公演。
このところちょっと源氏づいている。
第一帖「桐壷」は既に3月3日になさっていて、これは第二回目の公演。
知らなかった。最初のも聞きたかったなあ。

市川段治郎改メ市川月乃助さんの朗読公演は、
以前にも拝見してとても素敵だったので楽しみだった。
(・名作語り『夢十夜』)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1628499510&owner_id=949383&org_id=1627304552
構成・演出が岡本さとるさん、演奏が新内剛士さんというのは以前と同じ。
期待通りとても洒落ていて堪能した。

朗読の前に、訳者である林望先生が前口舌。
この帖は男たちがこれまでにつきあった女たちのあれこれを語らう
有名な「雨夜の品定め」の部分だけれども、
身勝手な男の言い分が非常にリアルに描かれていて、
紫式部は女なのに、どうしてこんなに男の気持ちが分るのか、
どこか女離れした、両性具有的なものを感じる、ということや、
ここでは頭の中将や左馬の頭、藤式部の丞がさかんに女の話をするけれど、
源氏の君は殆ど何も言わず、ただ黙って聞いているのは、
藤壺の女御のことで頭がいっぱいなのだろう、などと話されたあと、
いよいよ朗読開始。

本を手に月乃助さん登場。
白いシンプルなシャツに黒のベスト、黒っぽいパンツ。
少し遅れて三木さんもご登場。
こちらは白のインナーに白と淡いピンクのシャツを羽織り、下はジーンズ?
それぞれ舞台におかれた椅子に着席して読み進められるが、
読むというより気持ちを入れて演じている、という印象。
地の文と台詞の部分ではトーンも違い、時には立ちあがり、
身ぶり手ぶりで臨場感が感じられる。

月乃助さんはやはり声が通り、言葉がすうっと耳に入って来て、
たいへん分りやすかった。
相方の三木眞一郎さんもさすが声優さん。
女になったり男になったり、自在に使い分けられて、何人もひとがいるよう。
いつの世も変わらない男の勝手な言い分や男女のすれ違いがリアルで、
客席からは何度も笑いが起きた。左馬の頭の言い草ときたら!
場面によって二人が掛けた椅子ごと近寄ったり離れたり、
照明が微妙に映り変ったり、細かな演出。

下手には黒の紋付袴の正装姿の尺八、三味線、十七弦の三人の奏者が、
合間合間に合いの手のように音を奏でて効果的。
物語の空間に広がりを感じさせてくれた。

林先生は最初の解説のみならず、
朗読が終わったあとも壇上に登場し、三人でお話。
「たいへん楽しかった。
三谷幸喜作、と言ってもおかしくないようなパフォーマンスでした。
リアルな会話で、まるで私が好き勝手に書いたように思うかもしれませんが、
これは実に原作に忠実に訳しているんです。
全部紫式部がこういうふうに書いてるんですよ」とのこと。

先生ご自身もこの作を朗読なさっているそうだが、
これを読むのは本当に大変なのだとか。
生ですらすらと進めていくお二人はさすがプロだ、と称賛。
でも先生も良いお声で素敵。おしゃべりも軽妙。
「まだこの先もいっぱいあるので頑張ってくださいね」
と月乃助さんを激励されていた。
また次の機会があるようだったら、足を運んでみたい。
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