「スタジオパークからこんにちは」（綾野剛さんゲスト）

綾野剛さんゲストの「スタジオパークからこんにちは」、
3月8日にようやく実現。

『カーネーション』の周防役ですっかりファンになって以来、
スタパのゲスト出演をずっと楽しみに待っていたのだけれど、
当初の予定日だった2月17日は国会中継で中止。3月1日も同じく中止。
まさに3度目の正直！無事生放送で放映されて良かった良かった。

この役は全国女性のハートを鷲掴みにしたんだろうなと予想はしていたものの、
画面ごしにも伝わるガラス窓の向こうの熱気でそのすごさを実感。
素の綾野さんのしゃべる姿に触れるのは初めてだが、
称賛に対して「恐縮です」「恐縮ですね」と言う
周防さんのイメージに通ずるような静かな佇まい、
言葉遣いの丁寧さ、初々しさ、謙虚な誠実さに感心しきり。
シンプルな黒の衣装も素敵。

彼は3月1日に放映が流れた際にも、
わざわざスタッフルームに挨拶に行ったのだとか。
楽しみに待っていたファンのためにも、何度流れても必ず出ると伝えるために。
「思いを寄せてくれたことに対して、ちゃんと回答したかったので。
そんなことしか出来ないですけど」
こういうひとだったんですね。なんだかじーんとしてしまった。
司会の近田アナが途中「暮らしの中のニュース解説」のコーナーへと移り、
もとの席に帰ってきた時、「お疲れさまでした」と声をかけたのも、
さりげなく自然で素晴らしい。

周防さんのダイジェスト映像が流れたあと、
あらためて周防役への思いが語られた。
「今見ても思うところが色々ありますね。
　照明だとかカメラのアングルだとか、
　周防龍一ってほんと、それこそ尾野さんも含めて
　ほんとにみんなに作ってもらったんだって思いました。
　僕はやっぱり僕を通して、尾野さんが演じる糸子が、
　とにかく魅力的で美しくあって、そして女性であって、
　というのが映ればいいと思っていたんですけど。
　自分一人じゃ何も出来ないので」

「今日多く声が届いているのは、台詞のない場面、
時計を直しながら目を合わせる、ミシン越しに目を合わせる、
たとえば手のしぐさとか、そういうところを見てらっしゃる方が
たくさんいらっしゃるんですけど、
どんな意識をされて演技されたんですか？」と近田アナ。
そうそう、本当に目だけの演技やしぐさなどにきゅん、となっていたもの。
やっぱり皆さんそうだったんですね。

「そうですね。考えてなかったかもしれないですね。
　映っているというよりも、その空間の中に、
　お互い存在してるっていうことになるべくつとめようと思いましたし、
　それをそういうふうに観ていただけたのなら、たいへん幸いです」
どこまでも謙虚だなあ。

＜脚本家　渡辺あやさんに聞く綾野剛＞ということで、
あやさんが寄せたメッセージも非常に興味深かった。
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綾野剛が演じる周防龍一を見て

ハンサムすぎる。
周防さんのあまりの存在感の強さに、おそらく現場全体も
夢中になってしまったと思われ、彼の出演回に限っては、
私が脚本に組んでおいたはずの構成のバランスが
見事にふっとんでしまっているのが辛いやら怖いやらでした。
でもそのように作品が自分のコントロールを超えて
暴走してしまうことこそ、創作の醍醐味なんだとも感じました。

周防さんが登場したあの三週間全部綾野さんに持っていかれたような気がして、
敗北感でいっぱいなのですが、それも含めて周防龍一は私にとって
本当に面白い体験でした。綾野さんにとってもそうだといいなと思います。
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脚本家にこう言わしめた存在感。
やはりあの役は現場で化学反応をおこしてぐぐっと化けたんですね。
ごくまれにドラマが呼び寄せる奇跡。それを観られたことは僥倖。
でも綾野さん自身はそんな意識はなかったらしい。

「いや、全然分かんなかったです。
　むしろそんなに余裕があってやってたわけではないので、
　不安は常にありました。
　でも信じるしかないので。
　現場のスタッフをとにかく信じてやっていたのはありますけど、
　こういう印象を与えてるとは思ってなかったです。
　むしろ半分申し訳なく、半分ありがとうございますという気持ちはありますが」

周防さん登場の奇跡の三週間。
第15週「愛する力」（1/9〜1/14）
第16週「揺れる心」（1/16〜1/21）
第17週「隠しきれない恋」（1/24〜1/28）
思えばあっという間だったけれど、本当に濃密で幸せな時間だった。

地元の方からもとても綺麗で自然だとお褒めをいただいた
長崎弁の台詞の大変さだとか、
ドラマデビュー作『仮面ライダー555』の石田秀範監督からのメッセージや、
大好きだというバナナジュースを作って飲む姿など、
盛りだくさんの内容で大満足。番組スタッフに感謝感謝。

これからぐっと飛躍しそうで、今後も注目してゆきたい役者さん。
とりあえず5月に出る『月刊MEN』は楽しみだし、
8月〜9月の舞台は他の出演者もちょっと気になるので観てみたい。

・月刊MEN　009「綾野 剛×蜷川実花」
http://www.gekkan.jp/men/men_b/%E6%9C%88%E5%88%8Amen-%E7%B6%BE%E9%87%8E-%E5%89%9B/
【写真集】88ページ／封入特典　撮影メイキングDVD
税込価格：￥2,625
5月25日発売予定

・雪之丞一座〜参上公演『サイケデリック・ペイン』
http://psychedelic-pain.jp/
[作] 森雪之丞
[音楽] 布袋寅泰
[演出] いのうえひでのり
[出演] 福士誠治/北乃きい/綾野剛/片瀬那奈/内田朝陽/
　　　前川紘毅/松田翔/内田慈/右近健一/菅原永二/橋本じゅん
[東京公演]
2012年8月22日(水)〜9月11日(火)
サンシャイン劇場
[大阪公演]
2012年9月22日(土)〜24日(月)
森ノ宮ピロティホール