『
ドラゴン・タトゥーの女 』
言わずとしれたスウェーデン発、ベストセラーミステリー小説二度目の映画化。
興味は一点、いかにフィンチャーさしさが出ているか。
『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』との比較でもなく、男の色気漂うジャーナリストでもなく、新進気鋭女優の体当たり演技でもなく、
フィルムメイカー<D・フィンチャー>の新作というのが最大の興味だった。
…とはいっても私も人の子、オリジナルで強烈な印象を残したノオミ・ラパス(リスベット役)を本作で同役を手中にしたルーニー・マーラが超えているかは気がかり。
ただいかにルーニー・マーラが眉をブリーチし、ピアスを施し、方言やバイクを特訓して役作りをしても、大方の予想通り私も
ノオミに軍配を上げてしまう。
酷な言い方かもしれないが、<
触れた瞬間爆発しそうな>野性味の欠如を感じる。
『セブン』ですでに同様のミステリーを作っているフィンチャーにしてみれば、故郷の庭を散歩する気分だったかもしれない。
手際は悪くはないと思うが、彼をしてもこの複雑怪奇な人間関係をわかりやすく<図解>するのは骨が折れたのではないか。
フィンチャーは原作に忠実に作りたかったらしいが、
だとするとスウェーデン版はかなり上手に作っていたのではないか。
個人的に気に入っているのはチョットした場面の演出。
冒頭、タバコで一服するシーンでは一切の説明なしに行動だけで現在の心情や“最近の習慣”を語ってみせている。思わずうれしくなる瞬間。
原作にこだわりスウェーデンロケをしたのも生かされていると思う。
しかし、なんといってもフィンチャーらしいと思うのは、スタイリッシュなオープニングシーンに集約されようか。
ここだけでも作品として切り出せそう。ソフトを買って何度も堪能したい。
フィンチャーの前作『ソーシャル・ネットワーク』から続いて音楽を担当するトレント・レズナー(今回は同じナイン・インチ・ネイルズのアッティカス・ロスも参加)の仕事振りもよい。
サントラが欲しくなる。
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