東京駅忘れ物預かり所

4日前の雨の日、出勤する朝の山手線で傘を忘れてしまった。
荷物が多かったので、ついドアわきの手すりに掛けてしまったのが
いけなかったのだ。
おまけに途中、緊急停止で遅刻確実なほど遅れてしまい、
先をあせって飛び出したのもまずかった。

原美術館のミュージアムショップで買ったお気に入りの傘。
持ち手はシルバーでとても軽い。
無地だけれど、角度によって青紫にも赤紫にも見える玉虫色。
洒落ていてとても好きだったのに。
渋谷駅事務所で遺失届けを書いたが、待てど暮らせど連絡はこない。

再び事務所に尋ねに行ったら、傘は多いのでむつかしいとのこと。
18日の忘れ物なら、22日には東京駅の忘れ物預かり所に移されるから、
自分の目で確かめに行った方が確実と教わった。

場所は八重洲の南口。北口方面から延々歩いて行った。
ドアを開いて来意を告げると、「どうぞ見てください」と中に通される。
「18日の分はこれだけです」と示された棚を調べる。
傘は10本ずつビニールひもで束ねてあった。
何束も順番に見てゆく。親切な係りの方も持ち手と地の色を聞いて
一緒になって探してくださったが、残念ながら発見出来ず。
探してる間中、鳴り続ける電話。説明の声。
電話が通じなかったはずだ。忘れ物はやはりとても多いらしい。
ここに3日間置いたあとは警察に移すそうで、そうなると見るのも大変そう。
あきらめきれないので「本当にこれだけでしょうか」と問うと、
「うーん、夕方までに届けられれば18日分に入りますが、
その日そのまま車庫に入ってしまったものだと、翌日回しになるかも」

19日分がここに届くのは明日なので、
最後の望みを明日に託してもう一度行くことにした。
あると良いのだけれど。