＜目指すは宮川公園＞
大乗バス停から再び海35系三崎東丘行きに乗ると、
またくねくねとうねる、長い長い下り坂。
なにしろバス路線図で見ても、この区間は一番長く、
次の停留所の宮川町まで、他の区間の3倍くらいありそうなのだ。
でも冷房のきいたバスの中は心地よくてとても楽。
最初のロケ地めぐりまでが非常にスムーズにいったので、
ほっとしてバスに身をゆだね、いささか注意力散漫になっていた。
次に向かう宮川公園への経路調べの詰めが甘かったせいで、
このあと余分な体力を使うことになるとも知らずに。
次に向かうのは、バス停から児童養護施設「道南白鳥園」に向かう道中、
奈緒と継美がじゃんけん遊びをしていたところ。
じゃんけんしてチョキで勝ったら「チ、ヨ、コ、レ、イ、ト」と六歩進み、
パーで勝ったら「パ、イ、ナ、ツ、プ、ル」と同じく六歩前進、というように、
勝った方がどんどん先に進み、負け続けるとその場から進めない。
これは私も小さい頃やっていたな。いつ頃からある遊びなんだろう。
グーの時は「グ、リ、コ」と三歩なので効率が悪いなあと思ったものだった。
この場所はロケ地ガイドによれば「宮川公園」。
http://loca.ash.jp/info/2010/d201004_mother.htm
・奈緒と継美（怜南）が手を振って別れた風車がある公園
→宮川公園(ロケ地096）
（神奈川県三浦市三崎町六合）
「三浦市 宮川公園」で検索すると、三浦市情報の中からこの頁がヒットした。
http://www.city.miura.kanagawa.jp/seisaku/barrier-free_miyagawa_park.html
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宮川公園は、海と自然に囲まれた公園です。
非常に眺めの良い立地条件にあり、
晴れた日には正面に宮川湾と大島が、
西には富士山を望むことができます。
また、公園内には簡単な遊具も設置されているので、
小さなお子さんを連れた方の姿も多く見かけます。
夜には公園のシンボルである風車がライトアップされ、
幻想的な雰囲気を醸し出しています。
最近は、テレビ、CM、映画等のロケに
使用される機会が多くなっています。
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（HP説明文より）
この頁の「地図情報はこちら」という項目をクリックすると、
地図、所在地、アクセス（備考欄）などが見られる。
http://www2.wagamachi-guide.com/miura/map.asp?dtp=1&fid=11833&mps=10000&aky=
それによれば
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所在地： 三崎町六合1847−3
京浜急行線「三崎口」駅より京浜急行バス城ヶ島行き
停留所「城ヶ島橋」下車徒歩約15分
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となっている。
京急バスの頁で検索すると、「城ヶ島橋」というバス停はなかったので、
少し戸惑ったが、これはおそらく「城ヶ島大橋」の間違いだろう。
「城ヶ島大橋」のバス停なら、三崎口からの路線だけでなく、
三浦海岸からの海35系三崎東岡行きにもあるから、大乗からそのまま乗れる。
よし、OKだと思い、そこで調べを終えてしまったのだ。
回りにはあまり何もなさそうだし、三浦市の一枚地図を買っておこうかな、
と思わないでもなかったが、このHPは市の公的情報らしいし、
まあ大丈夫だろうと思ったのが間違いのもと。
もう少しあれこれ検索することなく、何より地図を持っていかなかったことを、
このあと後悔することになった。
＜最寄りのバス停＞
大乗を出たバスは、またうねうねとした畑の道をのんびりと下り、
かなり下ったところで次の「宮川町」のバス停となって、
お孫さん連れのおばあさんが降りて行った。
このあたり一帯は広く宮川町なのかな、とぼんやり思っているうち、
少し広い車道に出て、まただいぶ進んだところが台向ヶ崎のバス停。
そこからほどなく城ヶ島大橋で、この二つは今までに比べかなり接近していた。
ここで降りた人は何人か居たが、降りた途端不安にかられた。
最寄りのバス停ならば公園への矢印くらいあって良さそうなものだけれど、
見事に何もなく、これから進むべき方向も分らない。
しまった。やっぱり地図を買っておくべきだった！と思っても後の祭り。
観光パンフレットのようなものを持っているひとに、
「宮川公園はどちらでしょう？」と聞いて見ると、
「宮川公園はもう過ぎちゃったんじゃないんですかね…
でもここの説明にも城ヶ島橋バス停から徒歩15分となってますね」
とパンフを見ながらのお答え。
焦って、ちょうどウォーキングスタイルで通りかかった地元民らしきひとに、
「宮川公園はこの道沿いでしょうか？！」と尋ねると、
「はい、この道沿いにずうっと行ったところですよ。
歩くとかなりありますが大丈夫ですか？」と、今バスが来た道を指さされる。
「ありがとうございます。大丈夫です！」と礼を述べ、
急いで今バスで来たばかりの道を延々小走りで戻ることとなった。
おかしいなあ。最寄りはここのはずなのに。
だいいち通り過ぎたのなら、あの風車に気付きそうなものなのに、
と思いながらせっせと歩を早めていると汗が出て来た。
だいぶ歩いてようやくさきほどの台向ヶ崎のバス停。
最寄りバス停と書いてあるところから遡り、
もうひとつバス停を通り過ぎたのに風車はまだ見えない。
いったいどういうことだろう。距離が把握できないので気ばかり急いてくる。
畑があり、竹藪があり、車は時折走るけれど歩く人は見えず寂しい道。
15分以上は駆け足を続け、宮川橋という橋を渡ると次に宮川小橋、
とどめに長い宮川大橋まである。
いったいどこまで行けばいいんだ！と思う頃、ようやく風車の姿が見えてきた。
このあたりまで来ると風景が開け、右手に海がきらめき、
行く手の公園らしきところの下には入り組んだ湾があり、舟があるのも見えた。
ああ、どうやらあそこらしいとほっとしてから、まだもうしばらく歩いた。
大きな風車は見えるが、公園入口は進行方向から一番遠いところ。
ようやくたどりついた時、どっと汗が噴き出してきた。
＜風車のある公園＞
やれやれ、かなり無駄に歩いてしまったなあ。
どう考えても、今の路線で一番近かったのは宮川町のバス停らしい。
ただ、バス路線からいうと進む進路沿いではないので目に入らなかったのだ。
あとから思うに、最寄表示を書いた人は三崎口駅からの路線しか見ず、
三浦海岸駅からの海35系のほうにもっと近いバス停があるということは、
まったく念頭になかったのだろう。
ふと見ると、公園内にさきほど宮川町で降りたおばあさんが、
お孫さんと一緒に居るではないか。ちょっと力が抜けてしまった。
先ほど大乗から11時11分に乗ったバスは、11時19分に城ヶ島大橋に着いたはず。
勿体ないほど引き返して歩いた結果、もう11時40分近くになっている。
とりあえず公園内を観察。
敷地は車道から奥に向かって単純に細長いかたちで、
入り組んではいないから一目で見渡せる。
車道に面した入口側の左手にトイレがあり、
入口右手付近と、奥のほうと、合わせて二基の巨大な白い風車が回っている。
青空に映えたそれは、そそりたつ巨人のよう。
その足元に伸びるカラー舗装の通路が、二人でじゃんけんをしていたところ。
この時継美は入口側、奈緒は奥側に居て向いあっている。
継美の背景に見える屋根のある建物は、公園トイレ。
大きなライトがあるのは、風車のライトアップのためのものらしい。
学校の同級生とその母親は、車道のほうから来て彼女に声をかけたのだ。
奈緒の背後の通路は二股に分かれ、あたりにはちょっとした遊具も見える。
奥に向かって右手のほうにあずまやがあった。
公園の周りもぐるりと見回して、風車はこの二基だけなのだと分った時、
あの大乗のバス停から見降ろしていた風車はここだったのだ、と納得した。
地方都市に行くと風車が林立しているところもあるから、
あちこちにある一部なのかなと思っていた。
この風車こそ宮川公園のシンボルだということが分っていたら
行きつ戻りつしなかったのに。
やはり街中ではないところは山と同じと心得て、地図を持つべきだと反省。
(反省して帰宅後購入）
そろそろお昼なので、あずまやの中の椅子に腰かけ、
持参のお弁当と水筒の飲み物で昼食にした。
屋根があって風の吹きぬけるあずまやは涼しく、汗もひいて心地よい。
ドラマでの、二人の声にならない”バイバイ”の場面は、
どんよりした空模様も相俟って、いかにも哀しげだったけれど、
このすこーんと抜けるような青空のもとで、今の公園はひたすら明るい。
遊具もあるけれどここは基本的に通路と野っ原だけで、一面の緑が良い感じ。
時間があればぼうっと座っていても気持ち良さそうだが、
出来れば12時20分台のバスで次に移動したいので、
トイレで用を足したあと、早々にまたもと来た道を引き返した。
＜夏の名残りのバス道＞
宮川町のバス停のほうに回ろうかとも思いつつ、
まだ時間もあるから進行方向の台向ヶ崎のほうに進もう、とてくてく歩き。
さっきは焦ってゆっくり見られなかったが、ちょっとさびれた民家や、
綺麗なブーゲンビリアの花などが見えたのを撮っておきたかったのだ。
鮮やかなピンクのブーゲンビリアやハイビスカスは、盛夏を思わせて華やか。
ひかりを透かすように、下からあおって撮ってみる。
畑の脇の小屋に「まぐろ スイカ メロン 直売所」と書いてあるのが、
いかにも海と畑のこの土地しくてカメラを向けたりしていたら、
バスがやってくるのが見えた。
しまった！調子に乗りすぎたか、と必死で走ったが、
やっぱりバスのほうが早く、追い抜かれてしまった。
ああしくじった…と思っていたのに、なんとバスはバス停に止まったまま、
私の到着を待ってくれているではないか。かたじけない。
急いでステップを上り、「すみません！」とあやまりながら席につく。
私はどうもこんなことばっかりしているなあ。
でもなんとか予定通りの12時半頃の便に乗れたのは上々。
これで三崎東岡まで移動し、乗り換えて三崎口まで行ったら、
次はいよいよソレイユの丘付近へ。
（続く）
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