朝日新聞の日曜日のコラム「TVダイアリー」は、
4週続けて『Mother』プロデユーサーの次屋尚氏だったが、
今日はその最終回だった(29面)。
番組公式サイトの掲示板に、放送後毎回寄せられる多くのメッセージは、
楽しみでもあり恐怖でもある、とのこと。
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なるべく多くの方に、作品のテーマや登場人物の心情を伝えたい。
その思いもあり、作り手は得てして物語やその表現方法に、
分りやすさや単純さを追求しがちになる。
「どう伝えるかより、どう想像させるかだ」。
これは水田伸生監督の言葉。なるほどなと思った。
僕らは物語の提示者に過ぎない。
物語をどう解釈し、何を見いだすかは受け手の側だ。
作り手にとって大切なことは、
「受け手の想像力をいかにかき立てるか」なのかもしれない。
掲示板の話に戻るが、終盤にかけて急増した書き込みは、
「どうか奈緒と継美の2人をハッピーエンドにしてください」というもの。
しかし、このドラマにおいて、どんな結末がハッピーエンドなのか。
そこに正解はない。
一つ言えることは、もはやこの物語は脚本家のものでも、僕のものでもない。
登場人物たちのものであり、見ているみなさんのものだということだ。
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確かにおっしゃる通りで、いちいち頷いてしまった。
分りやすさや単純さではなく、どう想像力に訴えかけるか。
やはり作り手の志が高いのだなあ、と実感。
何が正解なのか。それは私にもわからない。
単純なハッピーエンドはないのではないかと思うけれど、
どういう結末でも、覚悟を決めて見届けるつもり。
もう今はドラマの登場人物というより、
本当に実在しているひとたちのように思える。
最後までどきどき。
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