mixiユーザー(id:949383)

2010年06月18日01:52

1154 view

長者丸踏切あたり(『Mother』第6話ロケ地)

継美の置き手紙に気付いて読んでいる奈緒と、
たったひとりで町の中をどんどん進んでゆく幼な子のカットバックは、
サスペンス的でもあって、どうなることかとはらはらし、目が釘付けになってしまう。
継美が歩いている道筋の風景や、かえりみちの目印場所のイメージショットは、
短いけれどどれもくっきりと鮮やかで印象的。

「おかあさんへ」

という宛名のあと、挿入されるのは、
ちいさな身体に大きな赤いランドセルを背負って、
線路沿いの坂道を下りていく後ろ姿。
ロケ地ガイドによれば、この下り坂はJR山手線沿いの坂道で、
品川区上大崎二丁目とあった。

http://loca.ash.jp/info/2010/d201004_mother.htm
→ロケ地058

ああ、やっぱりそうだったのか!
ここは山手線の目黒と恵比寿の間(目黒寄り)にあたる場所で、
以前2〜3度線路沿いに歩いたことがある。
もう少し正確に言うなら、恵比寿ガーデンプレイスの写真美術館入口と
目黒駅の中間点というべきか。
あの坂の傾斜と、すぐそばをすり抜けてゆくような山手線には、
見覚えがあるように思ったのだ。
自分の足で歩いた場所の記憶は、結構残っているものだなあ。
ともあれカメラの正確な位置を確認したくて、
仕事帰りに3回ほど行ってみた(6月10日、11日、17日)。

目黒駅からのほうがずっと近いのだが、
私の定期券は恵比寿まで有効なので、恵比寿駅から目黒駅方面へと歩く。
恵比寿は上京した30年ほど前から、しばしば来たところ。
昔の、客車を使ったビアガーデンも知っているし、
恵比寿像がもっと中央のほうにあったアトレが出来る前の古い駅も知っている。
その頃から比べるとずいぶん変ったものだよなあと思いながら、
ガーデンプレイスへの長い長い「まっすぐなエスカレーター」スカイウォークを行く。
(継美ちゃんの書いた「かえりみち」目印のそれは、多分新宿西口だろうけど)

スカイウォークが終わり、くすのき通りを渡ると恵比寿ガーデンプレイス。
右手にはJRの線路をまたぐ恵比寿南橋(通称アメリカ橋)。
四本並ぶレールは、山手線の内外回りと、
山手貨物の上下線(埼京線・湘南新宿ライン・成田エクスプレスなどが走る)。

そのまま線路に沿うかたちで、東京都写真美術館の脇をまっすぐ行く。
このあたりは区境となっていて、
ガーデンプレイスのスカイウォーク寄りの部分はは渋谷区恵比寿、
写真美術館のあたりは目黒区三田と区を異にしている。
敷地を抜け、また道路を横切ると交番が目の前にあり、その脇を下ってゆく。
交番の右手には三田橋があり、ここからも線路が見下ろせる。
実はこのちょっと先で、山手貨物線と山手線は立体交差して位置を替えるので、
鉄道ファンとしてはかなり興味深く、しばらく見入ってしまう。
ちなみにその交差が一番近々と見られるのは、
そのもう少し先にある大丸跨線橋の上。
線路をはさんだ向こう側の行く手には、
ビルから突き出た巨大な赤い半球が目立つ赤丸自動車学校が見える。

交番脇の下り坂の道は一度線路から迂回するけれど、
このあたり線路のすぐ脇は通れないので、逆らわず道に沿って左手に大きく回り、
レミントンハウス恵比寿というマンションを回りこんで、再び線路方面を目指す。
この狭い路地は再び区境となっていて、
右は目黒区三田一丁目、左は品川区上大崎二丁目。
東京の住所表示は複雑に入り組んでいて、
この先に見えてくる目黒駅も品川区上大崎にあるのだ。
そして品川駅のほうは品川区ではなく、港区に位置しているのだから面白い。

ともあれ、路地の先の石垣の上の方に山手線の線路が見えてくるので、
そこで左手に折れ、高架となった線路を右手に見て道を上る。
大きな枇杷の木が立っていたり、
古い石垣の隙間から自然に生えた草などもあって、
このあたりは時間がとまっているような鄙びた感じ。
少し行くと「目黒道架道橋」と書かれたガード下の右手に「長者丸踏切」がある。
ちょうど線路向こう側に「伊藤ハム」のビルがあるあたり。
この一帯は、昔の白金長者にちなんで長者丸と呼ばれていたとのことで、
近くにはディア・ガーデン長者丸という住宅地もあり、
電柱にも長者丸珠算塾などの看板がある。

山手線はこの橋の上を走っているが、山手貨物線は下のほうなので、
横切るならこの踏切を渡らねばならない。でも今は渡る必要なし。
この先道はどんどんせり上がってゆき、今まで頭上を走っていた山手線が、
いつのまにかフェンス越しの真横に迫ってくる。
かなりドラマティックな眺め。

継美ちゃんの後ろ姿の歩きが撮られたのは、まさにこの地点。
住所表示で言えば、上大崎二丁目8あたり。
私は逆方向の恵比寿側から坂を上って来てしまったが、
彼女は目黒駅側から、線路を左手にして坂を下っている。
それにしてもよくぞこの場所を選んだものだなあ、とまた感心。
ロケ場所の設定には、よほど優秀なスタッフさんが居るんだろうなあ。
こんな場所、鉄道にも詳しくないと分らないと思う。

撮影地とほぼ同じと思われる場所に立って、私も写真を撮ってみたが、
この短い場面にも、相当下準備とねばりが必要なことを実感した。
場所確認のため、画面写真を先に撮っていたので確認してみたところ、
画面ではちいさな継美ちゃんが坂を下りてゆく後ろ姿と、
すぐわきを通る山手線の内回り外回りが、ばっちり決まった位置なのだ。
新宿・池袋方面へ向かうほうと、品川・東京方面へ向かうほうの、
頭とお尻が画面上で揃う一瞬。
やってみるとわかるけれど、このタイミングと人物の動きを合せるのはすごい!
多分この数秒の場面のために、結構時間はかかったのではないかと思う。

もうひとつ、実地に足を運んで気付いたこと。
画面では、継美の歩く道の線路沿いに赤い郵便ポストがあるのだが、
実際のこの場所にポストはない。
ということは、これは撮影用の小道具だったのだ。
継美の背中の赤いランドセルと対になっているみたいに、
この赤い色はアクセントとして効果的だと思うけれど、
ついつい第1話の、赤ちゃんポストに入りたくて、
郵便ポストを覗き込んでいた彼女を思い出してしまう。

ここからそのまま目黒駅のほうに進むと、
鉄製の橋桁が風情あるかたちの白金桟道橋を過ぎ、
株式会社ホーチキ別館の脇を通って、道を横切るともう目黒駅。
念のため、目黒駅からこの線路わきの場所をめざす場合には、
目黒駅東口を出て、すぐ左手に折れると前方にdocomoの店舗が大きく見えるので、
そちら側に向かって車道を渡り、docomo店の角を回りこんで、
線路の方に向かい、あとはそのまま左手に山手線を見ながら沿って歩くと、
数分で撮影地点に着きます。
0 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2010年06月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   

最近の日記

もっと見る