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2010年06月13日12:09

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南橋トンネル(『Mother』第5話ロケ地)

ますます緊迫して目が離せないドラマ展開で頭がいっぱいになり、
気を紛らわすために、回を遡ってせっせと『Mother』ロケ地めぐりをしている。
路地歩きなどが趣味の私の好みで選んでいるから、
飲食店や華やかな場所より、ひっそりしたところが多いけれど、
追々に記事にしていければと思う。

第5話「二人の母親」では、
登校する継美と連れだって歩く奈緒に、
藤吉駿輔が近付いてきて金を用意しろと脅す場面と、
奈緒が金のことで困っていることを知った望月葉菜が貯金通帳を渡し、
それを返そうとする奈緒と揉み合いになる場面の2シーンに、
トンネル通路が登場する。

ロケ地ガイドによれば、ここは北区岸町二丁目の「南橋トンネル」。
http://loca.ash.jp/info/2010/d201004_mother.htm 
→ロケ地050
岸町という地名には覚えがある。
ちょうど王子駅と東十条駅を結ぶような細長いエリアで、
狐の伝説で有名な王子稲荷や、名主の滝公園などがある。
このあたりなら土地勘もあるし多分大丈夫だろうと、
地図を熟読した後、自宅から自転車を走らせた(6月12日)。

我が家からだと目白通りから日本女子大方面へ進み、
不忍通りに折れて護国寺前を過ぎ、千石を通り、
ひたすら不忍通りをまっすぐ
(とはいえこの通りは下って、上って、また下ってとアップダウンだらけ)。
本郷通りに当たったところで、左手に折れ、駒込駅前を過ぎ、
これも直進とはいえ上り下りのある道をひたすら行くと、
前方に王子駅が見えてくる。道は下り坂となる。

駅手前、線路をくぐらずに左手に折れ、あとは線路に沿うかたちで行く。
岸町は、線路に沿ったこちら側の細長く伸びている部分で、歴史的名所も多い。
王子稲荷神社、名主の滝公園の入口もこの道沿い。
名主の滝公園の囲いにぐるっと沿うかたちで道なりに進むと、
一度線路から離れるが、そこでもう一度そちら方向に向かうと、
目の前にそのトンネル道があらわれた。

眺めると、左手に撮影に使われた「南橋トンネル」。
住所表示で言えば、岸町2丁目3あたりになるだろうか。
右手には、画面にもちらっと映った児童遊園がある。
トンネルはそう長い距離ではなく、
やや蛇行した先にすでに光が見えて、閉鎖的な暗さは感じられない。
真ん中の自動車道と脇の歩道を隔てる白い細かな柵が印象的。
歩道は向かって右手のみ。

車はあまり通らず、道端に停めた車中で昼寝中のドライバーもおり、
なんとなくのんびりした雰囲気。
歩道は時折、ジョギング中のひとなども通りかかる。
上は高架の道路になっていて、トンネルの両側にはその道路に上がる階段。
左手の階段を上って上の道路へ向かう途中、
画面でも観た「南橋トンネル」のネームプレートを見降ろす視点があり、
ああ、カメラは最初このあたりから撮っていたんだな、と納得。

上に上がると視界がぽかっと開ける。
振り返れば、高架道には「南大橋」の橋名があり、
歩道には日盛りに日傘をさしてゆっくり歩くひとの姿も。
少し離れた高架線路を、東北新幹線が走ってゆく。
道の向かい側には、大きなガラス天井の施設が見え、
何かなと思って道を横切り近付いたら、「パノラマプール十条台」。
建っているのは十条台小学校の敷地内だが、
この立派な施設は一般にも開放されているらしく、
6月19日に開催される男子シンクロのイベント
「ウォーターボーイズ」のチケット販売のお知らせも貼ってあった。

・パノラマプール十条台(北区中十条1-5-6)
十条台小学校温水プール
http://www.panorama-pool.com/

パノラマプール側の階段を下りて、もう一度下に戻る。
こちらはトンネル右手の歩道寄りの階段なので、
葉菜さんと奈緒のやりとりの場面で、画面右端にちらっと見えている。
通帳を受け取らない奈緒に対し、
葉菜さんが「捨てました。ここに捨てました」と通帳を落とし入れるのは、
階段脇とトンネル歩道の間に置かれた、蓋付きのごみ箱。
これはもちろんドラマの小道具で、実際には何も置かれていない。
ぽかっと空いた狭い空間を眺めながら、ここでの二人の切迫したやりとりと、
抜け目なくしゅるっと現れ、ごみ箱の蓋を開けて通帳を取り出す駿輔を思い出す。
なんとなく、その周辺を行きつ戻りつしてしまった。

最初のトンネル場面のほうで、奈緒に軽く揺さぶりをかけた後、
去ってゆく後ろ姿の駿輔の行く手に、ガードレールと時計台と、
アーチのようなものが見えるのは何かなと思っていたけれど、
実際にこの場に来て、それは高架下の児童遊園だったことが分った。

・ちんちん山児童遊園(北区岸町2-1-11先)
http://www.city.kita.tokyo.jp/misc/kanko/data/a/6.html

戦時中、この場所には軍用列車が通っていて、
その電車が「チンチン」と鐘を鳴らしていたことが名前の由来とか。
公園内のアーチは、鉄道のために土手に掘られたトンネルの
出入り口に使われていた石を、記念に残したものとのこと。
夕方が近付いていたけれど、何人かの子どもたちがにぎやかに群れていた。

とりあえず目的を果たして満足。
帰り道、名主の滝公園すぐ近くの曲がりくねった急坂「三平坂」を見て、
もしやこれは継美ちゃんが第6話「さよならお母さん」で辿った道筋のひとつ
「さかみち」ではあるまいか、と一度上って下りながら確認したのだが、
残念ながらちょっと細部が違うようだ。
蛇行の仕方といい、急勾配といい、面白い坂なのだけれど。
坂道めぐりも面白いし、「東京の坂道」という写真集も愛読していた私は、
同じような趣味を持つらしいタモリさんと話が合うかもしれない。

このあたりは傾斜の多い地形も興味深く、古くからの名所も多い。
名主の滝公園は、子どもがごく小さい頃、
暑い中大汗かきながら連れて来たこともあるし、
「王子の狐」で有名な王子稲荷神社は、磐音とおこんがここへ詣でて
事件に巻き込まれる話を読んだ後、行きたくなってお参りしたこともある。
王子駅近くの音無親水公園は緑も多く、江戸時代ふうに作られた欄干橋も風情。
南橋トンネルをわざわざ見に行くような奇特な方は、
そのお帰りにこれらの景勝地に立ち寄られるのもお勧め。

・名主の滝公園(北区岸町1-15-25)
http://www.geocities.jp/tokyo_saunterer/a032200.htm

・王子稲荷神社(岸町1−12−26)
http://www.city.kita.tokyo.jp/misc/history/history/da300.htm
 
・音無親水公園(北区王子本町1-1-1先)
http://www.geocities.jp/tokyo_saunterer/a034700.htm

*写真は左から順に
・南橋トンネル歩道と脇の階段
・去ってゆく駿輔の画面写真
・トンネル側から見た「ちんちん山児童遊園」
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