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2006年05月28日02:10

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函館旅行記4(5月21日午後)

<土方歳三函館記念館>
函館駅前11時15分発のバスで啄木小公園へ。
前日空港から来た時の漁火通りを逆走してゆく。
右手に見える海も空も真っ青で本当に綺麗。
15分ほどですぐ着いたが、バスの本数が少ないので
帰りの時間を確認してから入る。
午後のパレードの時間も迫っているし、
まさしく分刻みのスケジュール。

受付でオリジナル商品だという白ワインの小瓶(200ml)
をいただいた。
土方の肖像写真と「誠」の文字が入ったセピア調の綺麗なラベル。
本日のサービスだそうで、思わぬプレゼントに嬉しくなる。

2003年にオープンしたという建物はまだ新しく、
壁面の枠いっぱいに引き伸ばされた土方の写真が目立つ。
「土方歳三函館記念館」の名と共に
「土方・啄木浪漫館」という名称もある。
この地で討ち死にした土方と地元出身の文学者啄木という
組み合わせの共通キーワードは「哀愁」だそうだ。
申し訳ないが2階の啄木コーナーに立ち寄る余裕はなかった。

スペースは決して広くないものの、
さまざまな道具や書がぎっしり詰まっていて
ひとつひとつ見ていくと予想以上に時間がかかる。
主だった新選組隊士のそれぞれの長刀や脇差と同銘の刀が
ずらりと並んでいてさながら刀剣博物館。
短銃などもあるから武器博物館か。

黒っぽい室内で物騒なものをたくさん眺めたあと
奥へ進むと丸い窓から本物の海が見えた。
開陽丸関係の資料を並べたこのコーナーは
後設されたものらしく、船の内部を模している。
羅針盤や舵も備えられ、船と同じ丸窓越しに見える海。
ロケーションのよさが生かされたつくりにほっと気持ちがなごんだ。

<行けなかったお寿司屋さん>
海沿いの道をふたたび町へ。次のバス停宇賀浦町に
グルメ回転寿司店「函太郎」がある。
五稜郭近くにも支店があるようだが、
ほんとはこの海沿いの本店で食べてみたかった。
かもめ舞う海をながめながら
新鮮な寿司が食べられるというのは想像するだに贅沢。
「ここで刺身を食べると、まるで眼前の海へ直接箸を差し入れて
味わっているような気分になる」という、
杉浦日向子さんの『江戸アルキ帖』高輪の段を彷彿とさせる。
口のご馳走、目のご馳走。
風景の素晴らしさは通っただけでも想像以上だった。
パレードの冒頭をあきらめれば食べられるのだが、
優先順位はそちらだから仕方ないですね。

<五稜郭祭維新行列 中島廉売〜行啓通り〜五稜郭>
パレード出発は13:00予定。
出発地点の中島廉売は名前通り中島町の安売り商店街。
市電の堀川町から歩いてすぐ。
ここに限らず○○廉売という名前は他でも見かけた。

日曜休みだから各店のシャッターは閉まっていて
普段の賑わいは想像するしかないが、
思い切り庶民的な狭い通りに、前日五稜郭公園入り口で見た
二艘の山車が止まっていた。
すでに集まった見物客が開陽丸のわきに群がっている。

山車に乗られるらしい方々の赤や白のしゃぐまの扮装は
ぱっと目立つ。
人の少ない道の反対側にNさんの姿が見えたので
横切って近づいていったら、
なんとその場所に山本耕史くんがすうっと立っていた!
不意をつかれてびっくり。
山車とは反対側で待機していたらしい。
ピンタックのある白のシックなシャツに黒のパンツ。
静かな雰囲気。
すぐわきに音楽活動でユニットを組んでいる
K.D earthの大くんの姿もある。

時間が来て開陽丸に乗り込む面々。
耕史くん以外は新政府軍の要職者ばかり。
ええ?敵方と同船なんですか。
名札を見ると黒のしゃぐまが陸軍参謀・黒田清隆。
赤が海軍参謀・曽我準造。
白が陸海参謀・山田市之丞。函館市長が扮されているらしい。
黒田役は実行委員会副委員長とか。曽我役の方は不明。すみません。

でも、と改めて思う。現在のこの人は土方役というわけではない。
会津の時には続編の撮影中だったし、
パレードには仲間の新選組隊士が付き従っていた。
目付き、顔付きにも土方の気が入っているように感じたけれど、
今ここに立っている青年は空気に溶けてゆきそうなほど透明に見える。

山車が動き出した。先の車にロープで牽引され、
歩くよりやや早いくらいの速度で
市電の走る通りを千代台、中央病院前と進む。
その脇をカメラを持ったファンが
写真を撮りつつぴったりとくっついて走る。
まるで磁石に集まる砂鉄みたいにざざっと移動する群衆。
沿道の地元の方々は結構のんびりと眺めている感じ。
耕史くんは道端に子どもを見つけるとそのつど笑顔で手を振る。
山車は道路左手の歩道側にぴったりと寄せているので
姿は常にずっとそばに見える。
会津に比べるとガードはまるでゆるやか。
もちろん先週の日野の人波とは大違い。

行啓通りで丸井やダイエーのある交差点も過ぎてから、
山車は道路右側に移動して止まり、
その場所の前でさまざまな行列やパフォーマンスが行われた。
行列の先頭は箱館奉行所関係者や各国の公使たち。
アメリカのペルリやイギリスのパークスに扮した方々は
外国の方だったような。
Kさんはロシア公使プチャーチンの名を連呼していた。
この名前がツボ?

次の榎本軍には三葉葵の旗が見えた。
大鳥圭介、榎本武揚ら蝦夷共和国の幹部連の後、
旧幕府軍の各隊が次々進む。新選組もそのひとつ。
前日の土方コンテストの優勝者も颯爽とした姿を見せた。
明治政府の征討軍の方は錦の御旗を押し立てて進む。

一通りの行列が終わったあと、白兵戦への合図のように
大砲(空砲)が撃たれた。
音が大きいので皆さん耳をふさいでください、と
何回もアナウンスがあったのに、
山車の上の色白の方はどこ吹く風と涼しい顔。
耳をふさぐ気なんか全然ないようだ。
銃の音も響き、旧幕府軍と征討軍が激しく切り結ぶ。
なかなか見応えがあった。

さすがに喉が渇いた。
再び動き出し、五稜郭への入り口にさしかかった山車に
伴走するのはもうやめにして、ソフトクリームを買って休憩。
NKコンビと共にソフトをなめながらゆっくり入ってゆくと、
さきほどまで活躍していた山車は
きのうと同じ位置にきちんと置かれていた。

五稜郭明け渡しのシーンを再現したという
開城セレモニーは見逃したが、
特設会場に近づくと、ちょうど式典の締めくくりの頃で、
再びの樽酒鏡割りのため刀を手にした耕史くんを見ることが出来た。
ご挨拶も終わり、すべての行事が終了して
会場からタクシーで立ち去るところまで見届け、
私も同行のお二人に別れを告げて五稜郭を後に。

<お土産・出立>
本日はちゃんと電話予約しておいたホタテバーガーを
ラッキーピエロで受け取る。
市電で駅前に着いて預けていた荷物を持ち、
急いで棒二森屋近くのペイストリー スナッフルへ。
ここのケーキセットも食べて見たかったのだが
滞在中優雅なお茶時間など取る余裕はなかったので、
せめても土産に。
チョコバナナタルト、日向夏のタルト、ココナッツのシャルロット。
お店の方に「お持ち歩きの時間は1時間以内ですか?」と聞かれ、
「1時間ちょっとです」とちょとばかりさばを読んで笑顔で答える。
函館の生菓子を数時間後に東京で食べるなんて
昔の感覚だと魔法みたいだろうな。
予定していた16:00函館駅発のバスで函館空港へ。
17:10の便で楽しかった函館にさよなら。

<反省点・心残り>
・念のためにと持っていった防寒用具の出番はまったくなく、
 かさばるばかりの無駄なお荷物と化してしまった。
 去年のこの時期の寒さについて読みすぎたせいで過剰防衛。
 ほとんど預けっぱなしで持ち歩かなかったからまあ良いけれど
 もっと臨機応変にしなくちゃ。
 必要なのは日焼け止めと夏帽子だった。

・現地の地方紙に祭の記事は出るだろうから
 買おうと思っていたのにみごとに忘れた。
 図書館員ともあろうものが!猛反省。

・飛行機で一時間ちょっとというのは、
 ちゃんと行ったという実感がない。
 夢でも見てたのじゃないかと思ってしまう。
 堺雅人さんが連載エッセイで書いていたように、
 早すぎる移動だと心が体に追いつかない感じ。
 NさんKさんは陸路(新幹線)経由だったので、
 幕府軍が北へと転戦していったルートを
 そのままたどった形になり、臨場感があったという。
 うらやましい。私もまたいつか。





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