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2010年02月11日22:43

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初演時の『GODSPELL ゴッドスペル』関連演劇雑誌記事

宝塚及びミュージカルファンの友人から、
初演時の『GODSPELL』についての記事が載っている雑誌などを、
あれこれまとめて貸していただいた(Nさん多謝!)。
興味深い内容なので、一部引用させていただきます。

・「レプリーク」 2001年12月号 (p.12-13)
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ストレートプレイからミュージカルまで、幅広く演じられる若手俳優として
期待されている山本耕史。
演出家・青井陽治が長年胸に温めていた『GODSPELL』に、
「キリストは彼以外ありえない!」と熱望されて主演する。

山本: キリストを演じるということを、僕は特別に意識していません。
「愛とは」とか「キリストの教えは」とか押し付けていくより、
エンターテインメントとして面白い、興味深い作品であれば、
後は見た人がそれぞれ考えてくれるんじゃないかと。
それでいいと思ってます。
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・「月刊ミュージカル」 2001年12月号 p.24-27
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オフ・ブロードウェイ・ミュージカル『GODSPELL』上演
青井陽治/山本耕史/大沢樹生

オフ・ブロードウェイ・ミュージカル『ゴッドスペル』は、
1971年5月に開幕、上演回数2124回の大ヒットとなり、
'76年にはブロードウェイに進出、527回の上演記録を残している。
'73年には映画化もされた。
日本初演は1978年で、今回、翻訳・訳詞・演出を手掛ける
青井陽治氏も出演している。

青井: 『ゴッドスペル』が開幕した同じ年の秋に、
『ジーザス・クライスト=スーパースター』が
ロンドンからニューヨークに入って来て、ブロードウェイで開幕しています。
大西洋を隔てて、同じ時期に、クラシックの教育を受けていながらも、
バリバリのロック少年だったシュワーツとアンドルー・ロイド=ウェイバーが、
聖書の「マタイ伝」に着目した。
そして、ロイド=ウェーバーは白熱する青春を悲劇的に描き、
シュワーツはキリストを一人の道化として見て即興劇スタイルのポップな感覚で描いた、
まったく違う2つの作品が生まれたことは、とても面白いことだと思いますね。

(中略)
山本: CDを聴いて曲がすごくいいなと思いましたし、
知り合いに「今度『ゴッドスペル』に出るんだ」と言うと、
「いいなあ、僕もやりたかったなあ」と皆言うんですよ。
僕らの世代には、浸透していないんですけど、すごい作品なんだということは
周りから聞く話からも感じていますね。

青井: (中略) シュワーツとロイド=ウェーバー、そして僕も同じ年なんです。
僕らは'67年に大学生になったのだけど、混乱のベトナム戦争を引きずった後の
'70年代をどう生きるか、いかに次の協調と友愛の時代を創り出すか、
たくさんのメッセージが発せられたなかの、
もっともシャープでクリアなメッセージの一つが『ゴッドスペル』だった。
その日本初演に、翻訳・訳詞とユダの役で出演させてもらいました。
それ以来、僕のなかではずっと大事な作品です。

<キリストとユダ>
青井: 『レ・ミゼラブル』の初演でガブローシュを演じた頃から
ずっと見ている山本君だけれど、『シラノ ザ・ミュージカル』で
初めて一緒に仕事をさせてもらった時「キリストがいた!」と思ったんです。
山本君が僕のなかで決まった途端、その兄貴分として、ちょっとすねた角度から
愛と理解と友情あふれる批評を加えられるユダは、大沢君しかないと思いました。

山本: (中略) 歌が殆どだと思っていたら、歌以上に台詞があるんですよ(笑い)
大変だけど、熱意を持って頑張っていこうと思っているので、
いつもより多く台本を読んでみたりしています。
でも台詞が入らないんですよ、難しくて。

大沢: 入りづらいですよ。

青井: 歌詞も台詞も、現代の言葉と文語体の聖書の言葉が混在している
原作の面白さを、なんとか日本語にも生かしたいと思っているのですが。

<作品世界>
青井: 『ゴッドスペル』のユニークなところはキリストを道化と捉える視点です。
混迷する時代の中で、偉大な哲学者や芸術家など自分が信じる人のなかに
引きこもってしまっている若者たち。キリストを信じてしまった若者もいる。
彼らをひとつの場所に呼び集める人物、それがユダを演じる青年です。
彼らが、即興劇としてイエス・キリストの足跡を辿ることによって、
自分が信じたものは尊いけれどもっと世界は広いんだということを
発見していくドラマだと思います。
道化師としてのキリストは、おちゃめでキュートで、
キリストの弟子になるということは、小さいクラウンになることなのです。
そのなかで、むしろキリストよりも遠く深いところを見つめていたかもしれない
ユダだからこそ裏切らざるを得なかった。あまりにも純粋なキリストを。

青井: 今ほど、人間が愚かであってはいけない時期はないと思います。
そういう時期に、30年前の若者たちが2000年前の若者に想いをはせて作った作品が
不滅の力をもっているということ、
キリストのメッセージは、キリストが、揺れ動く人だったからこそ発見出来た
真実なんだということをお客様とともに確認できたらと思います。
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・「月刊ミュージカル」 2002年2月号 グラビア頁
上演舞台の写真 6葉

額にしるしをつけ、目の下に道化メイクをし、青地に大きな黄色の星型シャツと、
赤白の縦縞パンツにカラフルなサスペンダーを付けたキリスト、
茶とベージュの横縞シャツに茶の革コート、革パンツのユダ、
ボクサーパンツをまとっただけの半裸のキリストとユダが向き合う場面、
カラフルなジャングルジムと出演者たちの群像場面など。
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