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2010年01月04日00:37

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清方ノスタルジー(サントリー美術館)

ようよう本調子になったことだし、お休みもあと一日だし、
お正月らしい気分になりたくて、サントリー美術館へ。
鏡花ファンの私にとってはなじみの画家・鏑木清方展。
着物を着て行ったので、和装割引で千円ちょうど。
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/09vol06/index.html

清方は鏡花の挿絵も多く手掛けていて、
「高野聖」や「註文帳」など、印象深いものが多いし、
歌舞伎を題材にした芝居絵も多くて、観ているとその世界に引き込まれる。
「鷺娘」の白無垢姿や、「娘道成寺」の鞨鼓の舞、「櫓のお七」など、
その舞踊や鏡花の女の姿態は、そのまま玉三郎さんの当たり役。
煙るようなまなざしの美女の艶やかさ。
水浅葱や青磁のいろの綺麗なこと。
明治期の暮らしを回想して描いた「明治風俗十二ヶ月」などの、
活き活きとした市井の暮らしのスケッチも好き。

でもこの展覧会は11月下旬からもう開催されていたのに、
忙しさにとりまぎれて、終わる間際になってしまって、
その間に展示替えがあることをきれいに失念していた。
私の大好きな「妖魚」は前期で展示終了していたのか!残念。
屏風絵は特に、生で観なければその素晴らしさが分らない。
カタログ写真では、屏風の折線がどうにも気になってしまうのだ。
このぬらぬらと肉感的で妖艶な姿は、まさしく魔物。
たしか上京したばかりの頃にも清方展に足を運んで、
この絵に圧倒されたのは鮮明に覚えている。
いつかまた観たいなあ。

まあ、鏡花の「通夜物語」のヒロイン、丁山(ちょうざん)を描いた
「遊女」の屏風絵が見られたから良しとしよう。
まだ下絵の線が残るラフな部分もありながら、
その恍惚とした表情と、体ごと火鉢にあずけたような体の線、
なまめかしさといってはなかった。
まさにファム・ファタール。

雪輪だの紗綾形(さやがた)だの七宝だの桜小紋だの、
着物の柄ゆきはまことに克明で、ああ素敵だなあとうっとり。
すっかり日本情緒にひたって堪能し、
可愛いスケッチ小品の、さくらんぼなどのハガキを購入して帰った。
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