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2009年11月08日20:43

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アルビン号の深海探検

11月7日、板橋ワーナーマイカルシネマにて鑑賞。
http://www.alvin.jp/

アルビン号とは、アメリカ・ウッズホール海洋研究所の潜水艇。
全長7メートル、重さは17トン。
白い船体の上の帽子みたいな赤いトップ部分に、白字で「ALVIN」と記してある。
船体にある直径2メートルほどのチタン合金で出来た丸い操縦室に、
パイロット一人と研究者2人の計3人が乗り込む。
ごく小さい船だし、動力源は電池だけというのが可愛らしい。
のぞき窓は前方3ヶ所にあり、水圧で割れないように直径わずか10cmほど。
厚さも10cmのアクリル樹脂製。

と、このような説明ナレーションを山本耕史くんが語っている。
彼のナレーションの素晴らしさはもう定評となっているが、
今回もそれを目当てに行った期待を裏切らず、心地よい声で誘導してくれた。
「ボクの名前はアルビン」というふうに、彼はアルビン号そのものとなって、
私たちを深い海の底に連れていってくれるのだ。
声の響きはソフトで決して出しゃばらず、しかも簡潔に的確に伝えてくれる。
本当に安心しきって身をまかせられる感じ。いつもながら素敵だなあ。

内容もたいへん興味深かった。
もともと、こういう珍しい世界を科学的に見せてくれる映像は好き。
専用メガネをかけて観る3D映画は初体験だが、
降りしきるマリンスノーやゆらゆらと泳ぐ魚が本当に迫ってくるようで、どきどき。
本当に海のなかにいるようで、息を詰めてしまう。
冒頭のひかりが差し込む海中もうつくしいけれど、
深さ4500mまで潜れるというアルビンが見せてくれる
深海の世界は想像を絶していた。

なんだろう、このうすっぺらで透き通ったからだの生き物?!
こんなものがうごめいているなんて。
ひかりを映すクラゲの輝き。なんという神秘。
大きなエラが耳のように見えて、「ダンボ」と呼ばれているタコの泳ぎ。

魚たちのからだも長くてゆらゆらと波打つ。
深海のイメージで作られている、ナウシカの腐海のなかで、
こんな生物が動いている場面があったなあ。

もくもくと煙のような熱気を噴き出すチムニー(煙突)群。
白いチュープに入った赤いチューブワームたちがわらわらと動く。
こんな闇の世界のものは白子のように色が抜けていそうなものなのに、
びっくりするくらい鮮やかな紅。

ワームの体のなかにはにバクテリアがいて、
それを目当てにほかの生き物も集まってコロニーを形成する。
海底深くマグマが噴出し、溶岩が流れてそのコロニーを消滅させてしまう。

人の目の届かないこんな海底で繰り返される生命の出現、消滅、再生。
すごいなあ。地球は生きているんだ、本当に。
科学の力は偉大だ。こんな世界を見せてもらえて感謝します。

冒頭のナレーションが語っていたように、海の中は宇宙に似ている。
昔良く聞いた合唱組曲「水のいのち」(高野喜久雄作詞・高田三郎作曲)の、
終曲「海よ」の歌詞を思い出してしまった。

 くらげは海の月 ひとでは海の星
 海蛍 海の馬 空にこがれ あこや貝は光を抱いている
 そして深く暗い海の底では 下から上へ まこと
 下から上へ 雪は 白い雪は降りしきる

この合唱曲は本当にうつくしく崇高だったなあ。
映画のオリジナル曲「光のサウダージ」「ボクはアルビン」
「月夜のメリーゴーランド」「Deep Sea」などもとても心地よくて、
サントラ盤が欲しくなった。

もちろんジュール・ヴェルヌの『海底二万里』なども連想したし、
さまざまなイメージが膨らんだ55分間だった。
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