三時間経過。
固まる様子無し。
良い匂いがする。
ミントと松の葉が混じった匂いだ。
ミントだけであれば、とても爽やかな匂いの牛乳であった事だろう。
ミントミルクか。
悪くない飲み物だ。
アイスクリームでもミント味の物があるくらいだから、ミント味のミルクがあっても良いだろう。
世の中にはそのような飲み物が既にあるのかも知れない。
少し砂糖を入れれば、とても気分を落ち着かせる飲み物になるだろう。
牛乳の表面を見ると、恐らくは松の物だろう、油膜が浮いている。
別に身体に悪い物ではない。
昔は松脂をガムのようにして噛んでいたと言うし(私も経験がある)、後で葉と一緒に取り除くつもりでいる。
三時間後に又様子を観よう。
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六時間経過。
先程、表面に浮いていた油膜が拡散している模様。
牛乳の脂肪分と混じり合っているのか。
その他は、外見上の変化無し。
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十一時間経過。
これは駄目かと思いつつ、蓋を開けて驚いた。
すっかりとは行かないが、固まっている。
丁度、ブルガリアヨーグルトとカスピ海ヨーグルトの中間の様な感じ。
或いは、加熱し過ぎて失敗気味の、ややまとまりが無いカスピ海ヨーグルトの様な感じである。
このまま保温し続けるのが良いのか、冷蔵庫に保存するのが良いのか迷った。
醗酵途上であれば保温し続けなければならないし、そうでなければ、こまま保温し続けると醗酵過剰になって、酸味が強くなってしまう。
味はヨーグルトそのものだ。
乳清はあまり表面には浮いていない。
全体に混じっている。
匂いは、やはり、ミントの香りと松の香りである。
ここに来て、松の香りがあまり良い物に思えなくなった。
ミントだけの方が良かったのかも知れない。
しかし、松の葉には多量のビタミンCが含まれており、それが牛乳が固まるのに良い方向に働いたかも知れないのだ。
この段階で、松葉だけを取り除いた。
ミントも松葉も煮えている様に見える。
今現在は夜中なので、台所でガタガタやる訳にも行かず、結局は冷蔵庫に保存しないまま、朝迄待つ事にした。
保温を止めたので、朝には醗酵が落ち着いて、乳清も浮き上がっているだろう。
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十四時間経過。
全ての葉を取り除き、冷蔵庫に入れた。
これ以上は固まりそうも無かったし、冷やした方がまとまるかと思ったからだ。
まだ菌が弱いのか、これが限界なのか、他の物よりまとまりが弱い。
見た目はブルガリアヨーグルトよりもサラサラした感じ。
カスピ海ヨーグルトは、悪く言えばぬるぬる、どろどろしているが、これにはそれが全く無い。
作り方を変え、カスピ海ヨーグルトと同じ様に作ったらどうなるだろう。
或いは、今回の工程で乳酸菌も増えただろうから、ブルガリアヨーグルトと同じ様に作ったら。
味はと言えば、正直言って、あまり良くない。
素となったミントと松葉が邪魔をしている。
しかし、その背景にある味は、正しくヨーグルトの味だ。
これの種継ぎが可能であるとして、数回も代を重ねれば、ミントと松葉の風味も消え、良いヨーグルトになるだろう。
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十八時間経過。
冷蔵庫で冷やしたが、状態は先程と変わらない。
ミントと松葉の風味を除けば立派なヨーグルトになったのだが、このザラザラした外観は、作り方と、乳酸菌以外の不純物のせいなのだろうか。
米糠を素にしたヨーグルトはもう作る気がしないが、これは別だ。
再度作ってみようと思う。
それにしても、出来を別にすれば、ヨーグルトは簡単に出来るものだ。
これで我が家は四種類のヨーグルトを得た事になるが、実際、使い物になるのは、やはり、ブルガリアヨーグルトと、カスピ海ヨーグルトになるのではなかろうか。
米糠ヨーグルトは論外で、ミント+松葉ヨーグルトは改善の余地有りだ。
ミント+松葉ヨーグルトは数回も種継ぎすれば、確実に味は良くなる。
しかし、今の段階では、滑らかさが無い。
後、数回作ってみて、改善されなかったらボツにしよう。
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