『
SHORT PEACE/ショート・ピース』
大友克洋の初期短編作品集に『ショート・ピース』というのがあった。
今でこそ“世界の大友”だが、この頃はまだ知る人ぞ知る、漫画マニアの中の存在だったと記憶している。
今回のオムニバス映画『SHORT PEACE』はそれになぞらえる形で新たに想像された。
貫かれるモチーフは<日本>。グローバルな時代だからこそ、自分たちの立ち位置を今一度見直そうという姿勢の表れだろうか。
アニメファンなら今回の製作スタッフに目が行くだろう。
さほど明るくない私でさえ聞き覚えのある名前が並ぶ。
映画はオープニング、「火要鎮」、「九十九」、「GAMBO」、「武器よさらば」から構成される。
あるものはクレジット表記がユニークだったり、絵巻物の遠近法のない世界を活用して見せたり、どれもが独特の美的センスで彩られた映像で、実験と娯楽映画のいいとこ取りみたいな感じに仕上がっている。
3Dモデリングをセル画風に仕上げているモノもあるけど、個人的には人物に使うのは…ちょっと馴染めない。
「GAMBO」では、鬼と熊という昔の日本では恐れられていた二つの対象だが、同じ世界に登場するとどうなるかという試み。
畏怖の対象の差異が描かれていて、なるほど…と思う。
とりわけ大友作品らしいと感じたのは「武器よさらば」だろうか。
どこまで技術が進化しても人間の根源は普遍であるという皮肉が効いていて大人のアニメという趣。
あと一歩、踏み込みがあればケッサクになったのでは?(独立した長編にしても良かったかも…)
トータル時間の尺が少し足りないのが惜しまれるが、スタイリッシュさを楽しむには十分であろう。
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