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2014年06月26日00:52

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『サード・パーソン』

『サード・パーソン』

 「策士、策に溺れる」のパターンかなぁ。いかにも才ある脚本家が仕掛けた作品という印象。
オスカー監督であるポール・ハギスは本作でも監督と脚本を兼任。評価を裏付けるようにリーアム・ニーソン、ミラ・クニス、エイリアン・ブロディ、オリヴィア・ワイルド、ジェームズ・フランコ…と豪華な実力者が集まる。
『クラッシュ』に限らず実力者たちの群像劇…となればお得意のパターン。
ただ接点がなさそうな組み合わせが<ある瞬間>にビシッと決まってカタルシス…となるのかと思っていたが、いや…きっと狙いはそうなのだろうが、どこかモヤモヤして終わる。

 NY、パリ、ローマと3都市で繰り広げられる愛の群像劇だが、キーパーソンは作家マイケル(リーアム・ニーソン)。
正直言うと仕掛けは途中で薄々気がついた。
ひっかけるポイントがあり、一瞬混乱しそうになるが<そこを含めたトリック>だと気がつけば、案外すんなり仕掛けはわかる…のではないかな。

 <人生にはいかなる代償を払ってでも得る価値があるものがある>こと…を訴えたいのだろうが、それもボンヤリとしか感じないのが少々残念な気もした。
後出しじゃんけん的に情報を小出しにしているのが入り込めない要素か?
小細工せずにオープンな形で勝負した方が良かったのでは?

 ハギス監督曰く「50回くらいは草稿を書き直した」という。なるほど、それで合点がいった。
たいてい上手くいってない作品は<いくらリライトしても上手くいかない>、というのが私の持論。
生意気なようで口幅ったいが、少しの手直しで解決しない時は、どれほど気に入ったアイディアでもスッパリ捨てたほうがいい。
ムリに形にしようと知力でねじ伏せようとすると、ドヨーンとしてピントの甘いものにしかなりえないと思う。
…なので、苦悩している作家マイケルの姿は監督自身と重なるようで、思わず苦笑いしてしまった。

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