『グレート・ビューティー/追憶のローマ』@
イタリア映画祭2014
アカデミー賞外国語部門受賞・ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞ともに受賞したと聞けば襟を正してみたくなるが、それでも山は険しい。(笑)
これは『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』『きっとここが帰る場所』のパオロ・ソレンティーノ監督による美を追求した作品。
<偉大な美>を求め、新作を書かなくなった作家でありジャーナリストであるジェップ・ガンバルデッラ(トニ・セルヴィッロ)が初恋の女性がなくなったことをきっかけにローマを彷徨いながら人生について深い考察をするというもの。
劇中で「イタリアが誇れるものは服とピザだけだ」と自虐的に呟かれるセリフがあるが、ルネサンスは14世紀のイタリアで始まり、ミケランジェロやダ・ヴィンチを生んだ国でもある。
どこをとっても絵になる風景・考え抜かれたカメラアングル・空間を際立たせるような照明・格調高い大仰なセリフ…全てにおいて美的であるのだ。
そう、ここは
美の国イタリアだ。
退廃的な雰囲気も含めフェリーニという名前が挙がるのは自然なことだろう。
近年、屈指の美しさを誇る画面に吸い込まれ、陶酔感を味わううちに時間が過ぎてゆく。
『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』もそうだったが、
よほど集中していないと睡魔に襲われるかもしれない。(苦笑)
トニ・セルヴィッロはじめ、キャストの濃厚な毒気にあてられる。
冒頭のちょっと(かなり?)怪しげな日本人観光客には失笑を禁じ得ないが(キャストは中国人だよなぁ)、ローマ遺跡をありがたがるのは観光客(その代表が日本人?)ってことかな?
結局はゴージャスに見えるものの空虚さと地道に生きる堅実さの対比ということを言いたいのだろうか。
彷徨えるジェップの喉元に高齢の修道女マリアが強烈なセリフを突きつけるところに痺れる。
8月 ル・シネマ他で公開予定
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