『
暗闇から手をのばせ』
日本に障がい者はどれほどいるか、映画の世界では諸外国と比べあまり目にしないので<案外少ない>と思うかもしれないが、決してそんなことはない。
日本では障がい者が健常者に混じって生活しづらいという現実が横たわってるに過ぎないのである。これが不幸でなくてなんであろう。
障がい者専門のデリヘルというある種キワモノ的な(しかし実在する)職業を通して、日本社会や心の問題を抉り取る戸田幸宏監督の快作。
障がい者も風俗嬢も世間的にはどこか蔑まされて生きている。
そのように同じ差別を受ける立場であるからこそ、互いの痛みを感じ取っていたのではないか。
劇中では少し極端な描き方やセリフが飛び交うが要点は伝わる。
健常者であろうと障がい者であろうと“人としての悩み”は同じなのだ。
上映時間は68分と短いが考えさせられる内容。それゆえ、問題点をホーキング青山がベラベラ喋ってしまっているのが、ちょっと惜しまれる。
しかし、劇中で(おそらく)唯一<ガチな障がい者>でもある同氏が
一番幸福そうに見えるのがこれまたなんとも…。(笑)
決して芝居はうまいとは思わないが、デリヘル嬢<沙織>をグラビアアイドルの小泉麻耶が恵まれた肉体を生かし体当たりで演じている。この恵まれた肉体が<身体障がい者>との対比でよりいっそう輝いて見える。
店長津田役の津田寛治もナイスだが、欲を言えば彼のバックグラウンドも見てみたかった。
余談ながら衣装・小道具協力にヒロイン小泉麻耶の名があるのはアクセサリーなどは個人のものということなんだろうね。素が透けて見えるのも◎。
完璧ではないけど、絶望の中に見せる希望も含め、この作品が好き。
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