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2020年09月07日02:14

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『はちどり』

『はちどり』

 封切り当初から観たいと切望していた本作に何とか間に合った。

 ともすると何の根拠もなく平凡な日常がずっと続くように感じてはいないか。
過去を振り返り後悔の念に襲われたことがない人はどれほどいるか。

 高い経済成長に沸く1994年の韓国。
家族など身近な人が誰もが真剣に向き合ってくれず、疎外感を感じながら生きる14歳の少女ウニ。信じていた人に裏切られて疑心暗鬼になるが、ある一人の塾講師と出会うことで彼女の中でドラマが生まれる。

 社会の転換期と中学2年と言うまたこれ子供から大人への転換期とが重なり合う。
横たわるのは韓国社会の風習や社会情勢。
男、とりわけ家長の命令は絶対だし、学歴社会から逃れることはできない。
そんな中で起きた歴史的転換点。
一人の14歳の問題からスタートしながらも普遍性があり我々の問題にもつながる見事な出来。

 邦題は『はちどり』だが、英題は「House of Hummingbird」。
つまり劇中のはちどりはウニそのもの。遠目からは飛んでいるように見えないが、絶えず羽を動かし続ける姿に精いっぱいの努力を反映しているようにも思える。

 キャストも的確で、主演のウニを演じたパク・ジフも塾の講師役のキム・セビョクも良い。
淡々とした日常を積み上げているだけなのに堂々たる佇まいを感じる長編デビュー作となったキム・ボラ監督の今後が実に楽しみ。

 内容に対しては少々長く感じるが、それでも見ごたえ十分。

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