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2019年07月13日02:28

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『天国でまた会おう』

『天国でまた会おう』

 原作は「その女アレックス」などのピエール・ルメートルの小説と聞く。
なるほど怪奇的なテーストはそれゆえなのか。
伏線の回収や構成、美術設計などもどこかノスタルジックで懐古趣味的な作りに思える。
寓話性のある筋運びもまた然り。
ジャン=ピエール・ジュネやテリー・ギリアム作品を彷彿とさせるという意見には納得。

 第一次世界大戦の戦闘で顔半分をふっ飛ばされて常に仮面を手放せなくなったエドゥアールの不幸。恩返しのために面倒を見る中年男性との「ないもの同士」の共同生活。
親子の亀裂や疑似家族など現代に通じる要素はあるものの、一番の見どころは数々の芸術的仮面だろう。
画家志望だった青年の設定が視覚的にもいかされる。

 小説ではいかようにもユニークな仮面を生み出せても実際に映像化するのは至難の業。
そこに挑んで見事期待に応えた仮面制作のセシル・クレッチマーの功績は大きい。
本作で仮面が果たす役割はそれだけ大きなもの。

 劇中ほぼ仮面で覆われた演技だったエドゥアール役のナウエル・ペレーズ・ビスカヤートにとってかなり難しかったのではないか。
姉マドレーヌ役でダルデンヌの『ロゼッタ』でタイトルロールを演じていたエミリー・ドゥケンヌと再会したのは嬉しい限り。

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