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2019年02月09日01:44

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『マチルド、翼を広げ』

『マチルド、翼を広げ』

 フクロウと会話する少女の予告編からファンタジー的なものを予想していたら予想外に残酷で切ない物語だった。
(いや、それは確かにファンタジーではあるし、空想物語の形を借りて真実を伝えるのもファンタジーの役割なのだが…)

 情緒不安定で自由奔放な(だが愛する)母親とどうにか折り合いをつけようと健気に奮闘する9歳のマチルドの姿がいたたまれない。
母が突然連れてきたフクロウと会話できるというのもマチルドのつらい孤独からの回避に他なるまい。
誰かの庇護にある子供というポジションで、十分な保護や導きを得られなかったらどうやって生きて行けばいいのか。
親子の絆の難しさと、また深さを思い知る。
わずか9歳という若さにもかかわらず常に死と隣り合わせのイメージがついて回るのも特徴か。

 ジョン・エヴァレット・ミレーによる有名なオフィーリアの水死体の絵画を思わせるショットのメタファーが的確。
孤独で閉じ込められているような息苦しいマチルドの生活をなぞらえているに違いなく、伏線としても巧みに生かされる。

 なんでもノエミ・ルボフスキー監督の自伝的要素を交えているらしく、少女は幼い頃の自分自身の投影。
壊れた母親を監督自身が演じるのはある種のセラピーのようなものではないか。
娘マチルドを新人リュス・ロドリゲスが好演。
離れていても優しく見守る父親に個性派俳優マチュー・アマルリックが扮する。


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