『
バーニング 劇場版』
村上春樹の短編「納屋を焼く」を基にアレンジを加えたイ・チャンドン監督の作品。
昨年末にNHKで短縮版が放送されたが、そこからさらに50分も長くなっている。
どちらかというとNHK版の方が原作に近いだろうか。
それくらい劇場版はイ・チャンドンの映画になっている。
謎が多く残る映画だが、そこが良い。
アルバイト生活をしながら作家を目指すジョンスと偶然再会した幼なじみのヘミ。
ヘミがアフリカ旅行で出会った金持ちでイケメンのベンと不思議な三角関係を見せる。
持たざる者と全てを手にしている者の格差が現代の(とりわけ韓国社会の)現状を示しているようだ。
謎を紐解くメタファーに満ち溢れたアイテムや背景は多く存在するが、核心に近づきながらも捉えどころがない。
この何とも言えない感覚をあぶりだすイ・チャンドン監督の力量を改めて思い知る。
最も謎解明が真の目的ではあるまい。
『ウォーキング・デッド』で知られるスティーヴン・ユアンが謎めいたニヒルなベンを好演。
ジョンス役のユ・アインの朴訥とした存在感がクライマックスにかけて生きていく。
新人女優チョン・ジョンソの大胆なヌードシーンが映し出される退廃的にも感じるシーンは強く印象に残る。
メタファーであろうビニールハウス、それを焼きたいと思うのは誰なのか。
それは若者に共通する衝動的な思いではないのか。
自慰行為にふける若者が脱皮して大人の階段を上がる青春映画。
(太陽も燃えているね。)
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