『
恐怖の報酬 オリジナル完全版』
近年、映画ファンを喜ばす幻の映画のリバイバル上映が相次ぐ。
長らく封印状態だった本作もその一つで、さらに<オリジナル完全版>であることが価値を高める。
アンリ=ジョルジュ・クルーゾー版があまりに有名なため損をしていたかと思うが、当時日本公開された短縮版で作品の評価を下されてきたウィリアム・フリードキンにとっては面目躍如となったろう。
ニトログリセリンをトラックで運ぶという基本線は変わらないが、フリードキン監督の独自色も加えられる。それによりずっとスペクタクル度が増している。
最大の見どころでもあるトラックで吊り橋を渡るシーンの撮影はかなり困難だったと聞く。
CGがない時代なので全部実物、より臨場感もわく。
<トラックの顔>が古代の宗教的彫像のようで呪いをかけられているような気分に陥る。
実際、当初カットされたエンディングが戻ったことによりさらにタイトルの意味が重くのしかかっている。(もっとも原題はSorcerer<魔術師>だが)
また、このシーンがないことには冒頭と話が重ならない。
公開からまともな扱いを受けてこなかったことや権利関係のクリアから日本公開までこぎつける遠い道のりも呪われた映画らしさを感じさせる。
タンジェリン・ドリームの音楽も禍々しくて実に良い。
運ぶニトロの量は多くないのでトラックより小型の車があればもっと楽だったのに。(苦笑)
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