『
人魚の眠る家』
ミステリー作家・東野圭吾の原作の映画化。
今回のミステリーポイントは犯行のトリックというよりも、人の命の境界線に迫るミステリー。
よく話題に上る<脳死>という人の生死の基準。しかし、肉体(特に心臓)が元気なうちは受け入れがたい気持ちもわかる。
意識不明に陥った娘を思うあまり暴走してゆく母親を篠原涼子が大熱演。
彼女の心理にどこまで共感できるかはさておき、役への没入感は怖ろしいほど。
東野圭吾原作の映画化では最も重い部類に入るのではないか。
生と死の分岐点を法律面からも不条理さを突きつけるあたりに上手さが光る。
論点は違うかもしれないが、『フランケンシュタイン』『ピノキオ』といった人間か否かを問う作品が頭をよぎった。
人の為に良かれと思う行動が本当に他者のためなのか、利己主義の仮面をかぶっているのではないか、日ごろの行動を今一度自分の胸に問いただしてみたくなる…誰しもきっとそんな瞬間があるのではないか。
回転ずしの食事シーンなどさりげないところで機械の有用性を問う演出が見られる。
祖母<千鶴子>役の松坂慶子にはしばらく気が付かないくらい驚かされた。
人気若手俳優の坂口健太郎のピュアさもよく出ていて、川栄李奈の個性を生かした存在感ある役も的確だろう。
ただ、それだけにBGMの軽さが気になった。
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