『
ワンダーストラック』
『キャロル』に続いてトッド・ヘインズがノスタルジックな時代を写し取る。
1927年と1977年という時を隔てた二つの異なる時代に12歳の聴覚障碍者の少女ローズと、耳が聞こえなくなったばかりの少年ベンが共に大切な人を見つけるためにニューヨークを訪れる冒険譚。
見ているこちらも一緒にドキドキワクワクが駆けていく。
ブライアン・セルズニック(『ヒューゴの不思議な発明』)の原作の映画化で、それぞれの時代をモノクロとカラーで使い分けながら並行して描かれる。
その編集の巧みさもさることながら、映し出される質感やディティールのこだわりも見事。
映画愛、芸術愛をひしひしと感じる好作品。
知らない町で挫折や失望を味わいながら成長する姿にエールを送りたくなる。
ローズ役は監督たっての希望で本当の聾唖の子供(ミリセント・シモンズ)をキャスティングしているが、これが初映画とは思えない上手さに驚かされる。
ローズとベン、共に耳が聞こえない設定のため台詞自体も大幅に制限される。
逆にそれが映像に集中させる強みにもなっている。
時を隔てた二人をつなぐヒントは1冊の本。
そのミステリーも話をけん引する。
博物館の展示物にハッとさせられ心を奪われる。
頭ごなしに<勉学のため>と引率されて見に行くよりもこうした出会いをしてみたい。
この映画を見た後だと、自然と自然史博物館に行ってみたくなる。(笑)
予告にも使用されたD・ボウイの名曲も生きている。
ただね、親子で左利きは珍しいケースだと思った。(大人の事情なのは分かるけど…笑)
ログインしてコメントを確認・投稿する