『
新感染 ファイナル・エクスプレス』
ダジャレなのだがウマくキマっている邦題。
ゾンビものパニックホラーだが、動く列車内というワンシチュエーションが実に効果的。
列車を使った演出は過去にもあったが、やはり逃げ場が限定される構造がイメージしやすいという効用はあるだろう。
ファンドマネージャーの父親が別居中の妻へ、ソウル発プサン行きの特急列車で娘(最初は顔つきを見て息子かと思った。)を送り届けるというだけのシンプルな設定なのにひと時も緩むことなく手に汗握る展開には痺れる。
そのテンポといい容赦ない描写といい韓国映画のいい意味でのハイテンションさが表れている。
ほとんど感染者から逃げ回るだけにもかかわらず、根底には格差社会や上下の軋轢など韓国社会が抱える問題点を感じさせる。
(観客を信頼しているのだろうか、“バカていねい”に説明しないのが良い。)
巧みだと感じたのは「助かったか」と思わせておいて更なる絶望を用意している点。
悪玉が結構しぶといのも映画の演出を超えた現実の投影なのじゃないかと思いたくなる。(笑)
窮地に陥った人間の示す本性には心の奥底を突かれた思いだ。
考える余裕もない一本道の展開ながら選択肢も見せているところに含みを感じさせるし、自分の身に置き換えて考えて見たくなる。
やはり映像の力がモノを言う。
まるで『蜘蛛の糸』を思わせるシーンには思わず唸った。
話を列車内に集中させたことも正解だったろう。
力技だけじゃなく、さりげない伏線回収のアイディアもお見事。
某国の映画を取り仕切るお偉方にもこのテーストが感染してくれないかと、割と真面目に思った。
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