『
おとなの事情』
イタリア人のイメージは何かと問われたら、美食と恋とオープンなおしゃべりと答えるかもしれない。
イタリアのアカデミー賞に相当するダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で作品賞と脚本賞に輝いたコメディ映画。実にイタリアらしさが詰まっている。
仲のよい友人らが集まって、美味しいものを食べながら「互いに秘密はないよ」とばかりスマホに届いたメールや通話を公開するゲームを始める。
ほんの軽い気持ちで始めたのだが…。
どれほど親密な関係でも秘密の一つや二つはあるだろう。
登場人物は大人なんだからそれくらいわかるはず。(苦笑)
期待を裏切らない“秘密の暴露”が続き、友情もパートナー関係もずたずたになるのだが、現在のイタリア映画界を代表する芸達者な俳優たちが顔をそろえたのも成功の一つだったのではないか。
シナリオを書く際には、それぞれの登場人物に個性的な過去を用意するという準備段階がある。まさにお手本のような筋書きで細部の描写にいちいち頷く。
あたかも舞台劇のようなセリフの応酬が楽しい。(監督含めて5人がかりの脚本化作業だったようだ。)
WinとMacの比較でも恋愛に当てはめるあたりはイタリアだなぁと妙に感心。(笑)
スマホは我々の生活に利便性をもたらしたはずだが、その実スマホに縛られてしまって不自由な思いをしてはいないのか。
スマホ依存症の現代人の仮面をはがしてゆく様がスリリング。
コミュニケーションで大事なのは何なのかが問われているようで、中々深い示唆を含むコメディ。
クライマックスの仕掛けが効いている。
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