『
ドント・ブリーズ』
アメリカの弱者の姿が投影されている傑作ショッキング・スリラー。
貧しい若者たちが大金を持つ老いた盲目の退役軍人を狙うというあまり気分のいい話ではないが、計算違いしていたのはこの老人がとんでもなくタフガイだったことが意外な展開を生む。
デトロイトという土地柄が未来のない若者の将来像を匂わす。
また退職した元軍人の荒んだ生活というのも米兵の現実の影を落としているようだ。
どちらも社会的弱者の象徴で、老人にも隠された秘密がありどう転んでも後味のよい結末は期待できそうにない。
ヘップバーン主演の映画『暗くなるまで待って』を思わせるような演出もチラリと見えるが、それよりもダイ・ハード…いやターミネーターのような老人(ステーヴン・ラング)の存在が決定的だろう。
文字通り
息もできないほどの緊迫感が最後まで続く。
泥棒に入る手段と見せ方が巧みで、物色している若者の視線が家屋の内部間取りの説明となっている。
映画の大半はこの家のセットだけなので費用対効果はかなり良かったのではないか。
まさにアイディア賞ものである。
加えて老人の抱えている心の闇が作品に奥行きを見せる。
拳銃の描写で気になる点もあるのだが、もっと“あり得ない”描写の前に気にする方が少数か。(笑)
映画本編とは関係ないが、隣に白人っぽいイケメンとカワイイ日本人と思える女性が見ていた。
…で、予告で『ラ・ラ・ランド』が流れた時に男性が
「俺の(ライアン)ゴズリングをエマ(ストーン)なんぞに取られた」と悔しがっていた。…え?君ら恋人じゃなく友人なの?(笑)
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