『
ヒッチコック/トリュフォー』
実力があるのに過小評価されている人物はどの世界にもいる。
なまじ商業面でヒットを飛ばすと根拠のない陰口を言われがち。
そんな不条理な屁理屈を吹き飛ばす、タイプの違う二人の監督の友情とリスペクトが感じられるドキュメンタリー。
いわば
「定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー」の映像版。
かなり分厚い書籍なので、映画は抜粋といった作りだが、テープに残された肉声や現代の名監督たちのコメントは圧倒的。
元々、商業作家の面が強く、興行面でしかもてはやされることがなかったヒッチコックへ、後輩映画監督のトリュフォーが熱烈なオファーを出したことから始まった奇跡のような対談。
映画好きには先の書物が必読書であったように、本映画も必見となっているのではないか。
ヒッチコックの映画術の解説は目からウロコという場面も少なくない。
『めまい』や『サイコ』といった代表作の裏話も(知っていたとしても)当人の声で語られると説得力も増す。
フィンチャー、W・アンダーソン、リンクレイターと豪華な監督たちの中でもスコセッシや黒沢清の発言には「おっ」となる。
現在の商業映画の演出にチクリと苦言を呈す場面には思わずうなずいてしまった。
ヒッチコック映画を楽しんできた人はきっと見返したくなるし、観てない人は早速見たくなるのではないだろうか。
かなうことなら
熊倉一雄の吹き替えで聞きたかったなぁ…。
(それじゃ意味ないか…苦笑)
ヒッチコックのイギリス時代の作品を丁寧にリマスターして出して欲しい。
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