『
すれ違いのダイアリーズ』
タイの水上分校で教鞭をとる過去の女性教員と現在の男性教員が、先の女性教員が残した日記によって繋がってゆく。
日記を通して男性教員は次第に空想の中で想いを膨らます。
実際にある水上学校の存在と日記から恋愛感情を抱いていった実話を基に組み立てられたそうだが、どこか木下恵介の『二十四の瞳』が頭をよぎる。
舞台となるのはとても現代とは思えない水上に浮かぶ不便な教室。
携帯電話はもちろん電気も満足に通っていない。そんな中でも子供たちは笑顔で授業を心待ちにしている。
素朴でまっすぐな教師と生徒たちの触れ合いは幸せな瞬間を予測させるものの、途中で疑問がわく。
当初は辺鄙な場所で子供たちのため、未来のために教育の大切さを知らしめる利他精神のいい話かと思っていたが、本筋がどんどん利他から大人の利己主義に移っていくのだ。
それと同時に気持ちが離れていく自分を感じた。
二つの時の教員生活が並行していくのかと思われた時に交差していくというのは、面白い描き方だとは思うが、ご都合主義と思える展開が次第に目についたのも減点材料。
さらに言うと押し付けがましいBGMも余分。
水上学校の存在はユニークだと思うし、トイレのエピソードなんて体験してないと思い浮かばないと思うが、それだけに恋愛話に比重が移ったのはどうだったのか。
美人キャストと風光明媚な景観でどうにか持ったか…という感じ。(苦笑)
また、生徒数が少ないにもかかわらず、漁師の息子・チョーン以外の生徒に深みあるエピソードがなかったのも勿体ない。
そちらを掘り下げたら素直にいい話になったと思うのだが…。
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