『地中海』@
イタリア映画祭2016
ここに描かれるのも現在のイタリアが抱える問題点。
アフリカの生活は貧しく、危険を冒してでも生活のために不法就労目的で地中海を渡る者が後を絶たない。
途中で盗賊に金品を巻き上げられたり約束した船も怪しくなる困難に遭遇しても決して心だけは折れない主人公アイヴァ。
苦労して渡ったイタリアで成功を夢見るが、現実は甘くない。
劣悪な環境と低賃金に嫌気を指す仲間も出る。
そんな中、アイヴァは故郷に残してきた愛する妻子のために我慢を重ねて、他人よりも努力する。
そうした姿は働くオレンジ農園で親方の目に留まり信頼感も得て待遇も少しづつ改善してゆく。
しかし、一方では不法就労や不法移民を不愉快に思う人々が彼らを追い詰め、結果的に暴動へと発展する。
世界中、格差のある境界線では珍しくない事例だが、それゆえ他人事ではない。
弱者ゆえ不公平な条件で我慢を強いられる状況にはやるせない思いがする。
だが、完璧な解決方法などあろうはずもなく、そこには法の壁も立ちはだかる。
実際に起きた暴動事件を基に描かれたものらしいが、製作意図にはアフリカ系アメリカ人の母とイタリア人の父を持つジョナス・カルピニャーノ監督の出自が重ねられているだろうか。
問題点を野放しにしている国家への苦言は感じられるが、他方で人間性への期待は感じさせるのが救い。
リアーナの曲が使用されるが、小国からアメリカに渡って夢をかなえた彼女の存在はアイヴァたちにとって希望の存在なんだと改めて感じる。
これで今年のイタリア映画祭はお終い。
相変わらず移民とマフィア問題が多かった気がする。
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