優秀外国映画輸入配給賞という授賞式があるのを初めて知った。
今年で第54回だという。
オマケの試写会目当てでイイノホールへ。(笑)
配給される映画の表彰式は珍しくないが、会社の方を表彰するのはなんだかおもしろい。
ほぼ一般の映画ファンには面白味の薄い表彰式だったが、こういう方々の縁の下の力で楽しめているのだ。
何でも日本には102の買い付け・配給会社が登録されているんだそう。
その中から今年選ばれた
最優秀賞受賞会社はギャガ。
上位のいくつかはドングリの背比べだったそうだが、誰かがふと「そういえば今年はギャガさん、30周年だったよね」とこぼしたのが決め手となったそうである。
会場から笑いがこぼれたが、映画配給という仕事を30年間続けるのは(ハリウッド・メジャーでもない限り)並大抵ではないだろう。
対象となった代表作には『セッション』『黄金のアデーレ 名画の帰還』『ヘイトフル・エイト』などがある。
優秀賞には20世紀フォックスが選ばれる。
ここは『バードマンあるいは〜』『ブリッジ・オブ・スパイ』『オデッセイ』とオスカー関係の強みを見せる。
注目は新規や小さな会社だろう。
奨励賞に二社が選出された。
シンカと
キノフィルムズだ。
前者は業界内でもあまり浸透していないようで、なんでも昨年の3月に入会したという。
それでいて『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』『独裁者と小さな孫』『ストレイト・アウタ・コンプトン』等を配給して、目の肥えた映画ファンを捕まえる。
後者は聞き覚えがあったが、それでも2012年から社員2名からスタートしたというので、予算もコネも実績もない中で業績を上げてより面白い映画を買い付ける才覚は大したものだと思う。
ちなみに対象作品には『アリスのままで』『パディントン』『母よ、』などがある。
判官びいきというわけではないが、応援したくなるね。
そして待ちに待った(?)受賞記念上映の開始!
『
帰ってきたヒトラー』
ヒトラーを描く映画は山ほどあるが、これまで<ヒトラーでコメディ>はタブー視されてきた。
ドイツでベストセラーになったというティムール・ヴェルメシュ原作小説の映画化。
現代にタイムスリップしてきたヒトラー。
リストラされたフリーランスのテレビマンが発見して、こともあろうか<そっくりさん>として売り込みTV番組で人気者となってゆく。
タイムスリップものにつきもののギャップネタも盛り込まれて、ヒトラーやナチスの歴史に熟知していれば、なおさら笑えるだろう。
撮影の手法がユニークで、要所要所にヒトラーに扮装させた役者を街に立たせてリアルな反応を挿入しているのだ。(いわゆるドッキリの類)
ヒトラー映画のパロディも効果的で、
特に『ヒトラー 最期の12日間』は見ておくことをオススメする。
方法論はともかく、リストラされたテレビマンやヒトラー共に人生でつまずいたものが<やり直す>という点は共感できる。
ヒトラーは歴史上最悪の独裁者というレッテルを張られているが、本当にそうなのかという問いかけは重く響く。
ヒトラーがいなくなった現代は理想的社会に近づけたのか?
ヒトラーがその地位に就いたのは<誰に責任がある>のかをよく思い返してみなければならない。
コメディというオブラートに包みながらも移民問題で揺れる欧州社会を巧みに取り入れている社会性は今日性を感じる。
ゲラゲラと笑いながらも最後には背筋が凍り付くような思いをした。
ヒトラーに扮した俳優オリヴァー・マスッチは無名の舞台俳優らしい。
正直、メイクを施していてもあまり似ているとは思えないのだが、キャラクター的な厚みが欲しかったようだ。(確かに目つきが怖そうだった。)
世代かな?どうしてもこの邦題だと、こういう絵柄が浮かんでしまう。(笑)
6月 TOHOシネマズ シャンテ他にて公開
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