『アノマリサ』@
TAAF2016
今年のアカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされたのは以下の5本。
『インサイド・ヘッド』
『父を探して』
『映画 ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム』
『思い出のマーニー』
『アノマリサ』
上の4本は劇場公開されたが、最後の1本だけはソフトスルーになってしまった。
しかし、このフェスで一度きりの上映があるということでチケットを取ったのだが…。
直前に思わぬアクシデント発生。
予定していた日本語字幕がつかなくなったという。OMG!
後日、料金は払い戻しされるというが、これだけのために劇場へ足を運んだ人の交通費は自腹だよね。
幸か不幸か、私はその次のグランプリ枠も取っていたので、そこまでではなかったけど。
日本語字幕での上映はなくなり、英語音声のみの無料上映と結果的にはなってしまった。
ヒアリングでどこまで…と思ったが、…頑張ってみる。(苦笑)
(90分後)
ところどころ困る箇所もあったが、全体的には分かりやすい英語レベルだったように思える。(答え合わせは6月3日のソフト発売を待つしかないけど)
『脳内ニューヨーク』や『マルコヴィッチの穴』の脚本でも知られる
チャーリー・カウフマンが手掛けただけあり、奇妙な仕掛けがある。
当初、スチル画像だけ見ていた時には、てっきりCGかと思っていたが、3Dプリンターから作られた人形を使ったストップモーション・アニメーションだった。(ベースはCGでデザインされてるわけだが)
手間暇を考えると気が遠くなるな。(汗)
あらすじをWEBから引用。
カスタマー・サービスの分野でモティベーション・スピーカーとして名声を築き、本も出版しているマイケル・ストーン。しかしながら、彼自身は人生に刺激を感じられずにいた。ある日、講演者として呼ばれたシンシナティ―で講演を聞きにきていたリサという女性と出会い、長い間誰の声も同じ声をしてしか認知できなくなっていたマイケルが、唯一識別できた彼女と特別な一夜を過ごすのだが・・・。
一見すると生身の俳優でもできそうなのだが、人形でやった意味はあると思う。
いってみれば人生に絶望してしまった男の物語で、世の中全てがアバターのように感じていることを示すのだろう。
他人にはエラいことを説教してアドバイスしているのに、自分自身は空虚な人間だという皮肉。
アクションのための顔のパーツ分けも“まるでロボット”という比喩が隠されているように思う。
自分にとって運命と勝手に思ったマイケルだが逆にリサは自身がなく積極的な人間ではない。
結局は相手を変えるのではなく、自分が変わらなければ人生は変わらないということなのだろうか。
声の出演を3人で担当しているというのもミソ。
マイケル役をデヴィッド・シューリス、リサ役を『ヘイトフル・エイト』で助演女優ノミネートのジェニファー・ジェイソン・リーが担当。彼女は『脳内ニューヨーク』にも出演しているカウフマン常連組。
そしてそれ以外の人物をトム・ヌーナンが一手に引き受ける。
開始早々に登場の女性が男のような声で違和感あったのだが、意味が分かって納得できた。
言葉が分からなくとも映像から分かる可笑しさもある。
ホテルでルームサービスを頼む下りやアダルトグッズのお店などは思わず笑いがこぼれる。
細部の動きやしぐさがかなりリアルに計算されているのも、逆に生身では当たり前すぎて効果が薄れるからかもしれない。ベッドに腰掛ながら微妙に体の向きを直すシーンなどは思わず唸った。
ただね、タイトルにあるアノマリサって、(リサのニックネームみたいなんだが、)劇中では日本語の辞書に載っているというけど、そんな言葉は英和辞書あるの?
…というように日本人なら突っ込める箇所もチラホラ散見。
アダルトグッズのお店でも変な日本人形があるしね。(笑)
やはり『マルコヴィッチの穴』のカウフマンを思わせるシュールな印象だった。(…であっているかな?)
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