『
ザ・ブリザード』
右も左も真っ暗で身動き取れない時に大事なのは頼れるリーダーの存在。
史上最強クラスのブリザードによって真っ二つになった巨大タンカーの現実の海難事故から真のリーダー論を見る。
1952年に起きたアメリカ沿岸警備隊史上に残る救出劇をスペクタクルな映像で魅せる。
今にも沈没しそうなタンカーでどうサバイバルするか。
向かった小型救助艇では容易に越えられない砂州をどう超えるのか、定員が12人なのに32名もの船員をどう救出するのかといった点にウルトラCが求められる。
難破船を何に見立てるかは人それぞれだろうが、
苦境に立たされた企業や国家と見ることもできるだろうか。
組織が大きくなればそれだけリーダーの“かじ取り”は重要だろう。
救助艇が早々にコンパスをなくしてしまうのも意味深長である。
進むべき方向を指し示す手段がない中でも正しい導きを示さないとならないというメッセージは伝わる。
実話ベースをあまり過剰な演出にしなかったのは良かった。
安易な盛り上げ表現はかえって興をそがれる。
硬軟バランスよくアクションと人間ドラマを織り込んでいたように思う。
一人の力では太刀打ちできない時の団結力は定番だが、説得力はある。
個人的には救出に向かう救助艇のバーニー・ウェバー(クリス・パイン)よりも巨大タンカーで奮闘する船員レイモンド・シーバート(ケイシー・アフレック)が印象深い。
絶望的な状況で理性を失わない精神力は現場のたたき上げを強く感じる。
理屈の限界を超えるところに奇跡は存在するのだろうか。
実際のモデルとの比較がなかなか興味深かった。
しかし、分かりやすいとはいえ、なぜこんな凡百な邦題にしたのだろう?
原題「THE FINEST HOURS」とはだいぶ映画の見え方が違うように思える。
鑑賞したシネコンでは3D上映しかなかったが、人は暗部では立体感を得にくいと思うので、(夜間が大半の本作では、)正直それほど効果があるとは思えなかった。
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