『
愛しき人生のつくりかた』
死という出来事から生を描き出す。
最愛の夫を亡くした老婦人マドレーヌのエピソードから始まって、マドレーヌの息子夫婦の問題、さらには孫の抱える悩みと今を生きる三世代の問題点をバランスよく配置している。
たいていの人は最後は墓場で終わる。墓に入らなくとも死を避けることは出来ない。
ならば最後まで自分らしく生きようという願いは伝わる。
独り身になり健康に不安があったとしても、残りの時間を友になれそうな者もいない施設で死を待つだけなんてまっぴらごめん。
逆に残り時間が短いからこそ悔いなく生きたいという思いには大いに賛同できる。
とかく死を扱うドラマとなると重くなりがちだが、フランス流のユーモアが軽快さをもたらす。
多少うまく運びすぎている気もするが<禍福は糾える縄の如し>といった故事が思い起こされるような展開はテンポも良くて見やすい。
主演のマドレーヌを演じる国民的歌手アニー・コルディは時々俳優業もこなしているそうで、芯の強い老婦人役には適切だと感じた。
息子ミシェルのミシェル・ブランは本当に良い味わいの俳優で、妻と上手くいかず落ち着きなくうろたえる庶民的父親像を好演。
ジャン=ポール・ルーヴ監督がホテルの主人を演じていたり、脇に印象に残る配役がされているのも監督が俳優出身ならではか。
とりわけ謎めいたスタンド店員には印象に残るのは役の大小ではないと実感。
笑っていいのかどうか怪しいユーモアセンスはおフランス映画なんだと思わされる。
人には生きる希望が大切だということも、未来を支えるのは<大切な過去>であるという点も確かなんだろう。
キメ台詞には思わずニヤリ…となる。
ノルマンディーの雄大な空撮は大画面で鑑賞したい。
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