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2016年02月12日22:43

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『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』

『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』

 クラシック音楽関係には寡聞であるが、世界三大オケといえば<ウィーン・フィル><ベルリン・フィル>と、このオランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団らしい。

 2013年、創立125周年記念として50公演をおこなった世界一周ワールドツアーの模様を収めたドキュメンタリー映画。
その中でアルゼンチン、南アフリカ、ロシアとタイプの違う国を訪れながらその地の問題点もさりげなく垣間見せる。

 言うまでもなく、コンサートには観客がつきもの。
観客なくして演奏会は成立しない。
楽団だけのウンチク話だったら、わざわざ世界ツアーの様子なんて取り上げなくとも説明はできよう。
つまりは観客こそ、このドキュメンタリーの主役なのだ。

 南アの治安の悪さはつとに有名だが、登下校の途中で誘拐やレイプが日常茶飯事と化している。
ロシアでは祖母がマーラーの大ファンだった高齢の男性が強制収容所に入れられた過去を語る。
そうした中で演奏される曲が彼らの人生とリンクする構成は中々のもの。

 南アでの黒人バイオリストが語ったユダヤ人についての話が特に印象深い。
人の思いはこうして伝播する。
楽器のパジャマという表現は、当事者だからこそ産まれた言葉だろう。
子供相手の指揮棒の説明には大爆笑。
選び抜かれた楽団員のスキルの高さが試される瞬間だった。(笑)

 クラシックファンならば「もっと曲をしっかり聞きたい」と思うかもしれないが、それが目的の映画ではないだろうから、これで良かったのでは?
ある意味、クラシック入門編としても楽しめるか。

 金持ちだろうと貧乏人だろうと、白人でも黒人でも、言語の違いで会話が通じなくても人は音楽で一つになれることを強く感じる。
改めて音楽に国境はないことを知ると同時に、世界に広がる貧富の差やいわれなき差別の境界線には心が痛む。

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