『
パパが遺した物語』
物書きが好みそうな手の込んだ構成の映画。
ルールが分かるまでが少しもたつくのと、それ自体の必然性には多少疑問も感じた。
なまじテクニックがあるゆえに陥りやすい“罠”かもしれない。
もちろん、好きな人はいるだろうし否定はしないが、テクニックに目が行ってしまうのは成功しているとはいいがたいのではないか。
大まかに25年前と現在の二つの時代が並走している。
一家を乗せた自動車で事故を起こし父親一人で幼い娘ケイティを育てることとなった作家のジェイク・ディヴィス。
成人して自暴自棄な生活を送るケイティがなんとか現状を抜け出そうとする話。
どちらも愛する(愛したい)相手のために不器用な自分をコントロールして努力する。
しかし、距離感やコミュニケーションが下手なばかりにもどかしい思いをする。
見ていると気がつくだろうが、終点に向かって
重要な<ある点>がぼかされて進行する。
逆に言えば、そこの推測もつきやすい。
相手を思いやる心の動き自体に特別面白味があるわけではないが、
ラッセル・クロウ、アマンダ・セイフライド、ダイアン・クルーガー、クヮヴェンジャネ・ウォレス、ジェーン・フォンダ、オクタヴィア・スペンサーといった豪華キャストの力で最後まで押し切られる。
特にラッセル・クロウの発作シーンの上手さには手に汗握る。
幼少時のケイティを演じた
カイリー・ロジャースの愛らしさに少し点をオマケしたくなる。
難点は成長したケイティを描いていることで過去のエピソードにブレーキがかかっているように思えることと、父親の小説自体が、どれくらい傑作なのかがイマイチ伝わらないこと。
この部分の説得力の欠如は全体の甘さにつながる気がする。
他にもケイティに心を寄せるキャメロンの魅力も今一つ…と、どうにも細部の甘さが気がかり。
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