『
ジヌよさらば かむろば村へ』
ジヌ…とは、東北弁で<銭>のことなんだそうな。
宮城県出身、「ぼのぼの」で知られる人気漫画家いがらしみきおのコミック「かむろば村へ」の映画化。(原作未読)
東京でお金にまつわるトラブルで、東北にIターンして“お金を捨てた”生活を送ろうとする青年タケが主人公。
「一円も使わないで生きてゆくために、この村に来た」という割にお金にまつわるスリル感や緊迫状況といった問題点がほとんど見られず、このキャッチコピーは何だったのかと疑いたくなる。
主人公タケを演じる松田龍平のとぼけたユーモア感覚もいいが、対極的に存在感の濃厚な天野村長役“阿部サダヲ”の瞬発力のある個人芸にどんどん傾斜してゆく。
主人公を置いてけぼりにして、天野村長の<ワケあり人生>の方が面白くなってゆくのは詐欺レベルだ。(笑)
高齢化社会や限界集落、拝金主義的な現代社会に鋭いメスを入れる…のかと思っていたら「そこそこ」でユル〜く進行するのは松尾スズキ監督の味なんだろうか。
阿部とは『夢売るふたり』でも夫婦だった松たか子が本作でもワケあり妻を飄々と演じる。
タケにちょっかいを出す二階堂ふみのお色気シーンは本作のハイライト!(ここだけで元は取れた。笑)
実際、彼女のコメディエンヌっぷりは光る。
笑っていいのか滑っているのか微妙なギャグも多いが、容貌のみで笑いをとる片桐はいりは反則なのじゃないかな。(苦笑)
ただ正直なところ、入口のワクワク感が尻すぼみ的に消えたのは残念。
もっとも、劇中で西田敏行扮する“なかぬっさん”が発する「なるようにはなる」というセリフ通りといえば、確かにそうなのだが…。
<大モノ(?)カメオ出演>やベッソンの『最後の戦い』(個人的には『マグノリア』だが)を想起させるシーンは映画ファンなら楽しめる?
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