トーキョーノーザンライツフェスティバル2015
今年はパスしようかとも思ったけど、Twitterで流れる情報についつられて…。
もう終了したけど、いつか一般公開のために(?)
『ビッチハグ』
デビュー作『シンプル・シモン』で魅力的な世界観を振りまいたアンドレアス・エーマン監督の2作目。
期待にたがわない出来に嬉しくなる。
誰しもが小さなコミュニティの閉塞感から外国や都会などに自由を求めに行きたくなることはあるだろう。
「私の居る場所はここじゃない」とばかりに妄想を膨らませ、NYでの生活レポートを地元紙に連載するチャンスをゲットする少女クリスティン。
しかし人生は甘くない。
詰めの甘さが命取りになり、飛行機に乗り遅れてしまう。
大見え切った手前自宅には戻れずに知人のアンドレア宅に転がり込み、いったふりして振替の便を待つ日々…。
満たされない人生を世間や他人のせいにしている自信過剰なクリスティンはデリケートさが足りない。
未熟な時期の根拠のない自信は若者ならあって当然かもしれないが、この性格では親友は中々出来ないのじゃないかと思ってしまう。
どこかに行きたいのに、どこにも行けない状況は彼女の精神面をよく表している。
クリスティンは『死ぬまでにしたいことリスト』をノートにつけていて、両親が不在で三兄弟で暮らすアンドレアに無理難題を突き付けて振り回す。しかし、これはクリスティンよりもアンドレアにとって効果があったかもしれない。
<NYにいる>アリバイ工作に腹を抱える。
時には不可侵領域に踏み込んで気まずくなったりもするが、思春期から少し成長する友情物語がスウェーデン北部の美しい風景の中、ユーモラスに語られる。
ともかくインテリアなどのセンスがカワイイ。
本当に探していたものは、どこでもない<ここ>にあった。
オススメ作品なので、一般公開してほしい。
トークゲストにカジヒデキさんが登壇。
懐かしいな。90年代の渋谷系とかスウェディッシュポップとかのころによく流れてたね。
トーク内容はほとんどがサントラの内容だったのは言うまでもない。
『リメイク』
ホラーに用いられて一般化したPOV方式をラブストーリーに採用。
ヒロインのリサは全てを記録するという設定。
前の2作品とは雰囲気がかなり変わっている。
恋人マッティンとNYに訪れたリサは、些細なことで気まずくなり一人外出。
夜間、一人でカメラを回していてルーカスという青年と出会う。
第一印象は良くなかったが次第に打ち解けてゆく二人。
理想的なカップルで幸福そうな未来が見えていたかに思えたが、意外な結末が待ち受ける…。
常に対象を捉えて内面を切り取ろうとするタッチと、カップルの関係性に『ブルーバレンタイン』を思い出す人も多いのじゃないか。
ハンディカメラで撮影していても、相変わらずアンドレアス・エーマン監督の映像の瑞々しさは失われていない。
素人撮影に見せかけているけど、構図やアングルはよく計算されている。
一見、ストーリーがあるのかと思うほど日常のスケッチ集なのだが、<ある仕掛け>が分かってからがぜん面白くなる。(二回目を見たい衝動に駆られるが、二回見るのはしんどい気も…)
なぜタイトルが『リメイク』なのかと、ようやく腑に落ちる。
「チャンスの神は前髪しかない」ともいうけど人生何事もタイミングは大切だと、身に染みて共感出来る人も多いのじゃないかな?
前作『ビッチハグ』でNYに行きそびれた映画を撮ったが、今回は本当にNYに来てみたというのも面白い。しかも期待したような夢の地ではなく<苦い現実>が横たわる街…。
ホラーじゃないけど、やはり怖かったかも。
ラストはPOV方式にオマージュをささげた?(笑)
この監督はどこか惹かれるところがあるので、これからも追いかけたい一人。
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