『
おみおくりの作法』
死は誰もが避けて通れない道。
つきものなのは葬儀。
しかし、愛する家族や友人たちに見送られる人ばかりじゃない。
ワケあって、孤独死を迎える人も少なくないのは英国も似た状況なのかも。
よく「
葬儀は残された遺族のためで彼らが生きてゆくためのものだ」という意見を耳にする。
はたしてそうなのか?死者には葬儀は価値がないことなのか?
ロンドン市の民生係を務めるクソまじめな役人ジョン・メイが主人公。
身寄りもない死者の身元を丁寧に探し出して、葬儀や埋葬の手伝いをする。
言ってみれば英国版『おくりびと』と言っても差支えないのかもしれない。
役人なのに決して
<お役所仕事>にしないジョンの非効率的な仕事ぶりを嫌う上司とはそりが合わない。
しかし最後の仕事となった案件で、彼の運命が大きく変わる…。
自身も身寄りがないジョン・メイは孤独死の人たちにただならぬ想いを抱く。
その想いが伝わる演出は、なるほど映像的だと思う。
何の得も見返りもないような仕事を真心をもって生真面目にこなすジョン・メイの姿に共感する日本人は多いのではないか。
その生真面目さが伏線となっているクライマックスは随分と考え抜かれたのだろう。
英国映画界きっての個性派俳優エディ・マーサンが初めて長編映画の主演を務めるというのも話題の一つ。地味で真面目な凡人という役柄はピッタリ。
ヴェネチア(監督賞)はじめ様々な賞を受賞しているのもわかる気がする。
静謐な作品で芝居も音楽もカメラも余計な仕事をしていない。
正直言うと、ラストは賛否あるかもしれない。
だが、『フル・モンティ』のプロデューサー、ウベルト・パゾリーニ監督(脚本も)は葬儀は<生者>のためか<死者>のためかという問いに一つの答えを出している。
その想いが伝わるときに静かな感動が沸き上がる。
2015年1月24日より公開予定
試写会@シネマート六本木(来年4月閉館らしいね。あと何回行けるのか)

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