『
パンク・シンドローム』@フィンランド映画祭
音楽物のドキュメンタリーは数あれど、知的障がい者のみから構成されるのは珍しい。
フィンランドの音楽シーンに現れたとんでもないパンクバンド“ペルッティ・クリカン・ニミパイヴァト” 。
彼らの日常に密着した奮闘記。
ペルッティ(作詞、作曲、ギター)、カリ(作詞、作曲、ヴォーカル)、サミ(ベース)、トニ(ドラム)からなるが、それぞれ個性が際立っている。
計算してないのが何よりの説得力。
リーダー格(というか最年長)のペルッティはやたらと服の縫い目が気になる癖を持っていたり、カリはロックンローラーらしくバイクやたばこ・女性を愛す。
メンバーの中で英語が堪能なサミは孤立しやすい性格。
グループホームに行くのを嫌うトニはいつもニコニコ顔。
ありがちなパンクバンドと違いのんびりしているし、どこか抜けているが憎めない連中。
この映画が魅力的なのは<いかにも障がい者モノ>として作ってない点。
「ハンデのある彼らも頑張っているんですよ」といった美談めいたスタンスも一切なし。
どこまでもドライにクールに突き放す。そこがカッコイイのだ。
それでこそ<真の公平さ>なのではないだろうか。
自身たちの手による歌詞は、時に自虐的ともいえるブラックさだったり、社会に対しての怒りがストレートに綴られる。
笑わせようとも泣かせようともしていないのに、いつの間にやら彼らの共感して腹を抱えて笑い、またホロリとさせられる。
とかく壁を作ってしまいがちな日本社会にこそ必要な映画なのではないだろうか。
これは社会の弱者の話じゃなく、人生の勝利者のドキュメンタリーだ。
2015年1月一般公開
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