『
メビウス』
鬼才キム・ギドクが挑む新たな境地。
全編セリフを排除し表情のみで家族の“愛と欲望”を問う。
(セリフなしというので韓国盤で一足先に鑑賞。厳密には数箇所で字幕は必要だが、確かにセリフはないし分量としてはないに等しい…。リージョンは3。)
すっかり冷え切った家庭で、夫の浮気にムカついた妻は夫の“息子”をチョン切ろうとして失敗。そしてなぜか矛先を息子の“息子”に向ける。もはや正気ではないその姿に圧倒される。
あまりに息子を不憫に思って取った父の行動が、また予想を超えている。
日本の映倫でも韓国での上映も許容範囲を巡って色々あったようだが、それは見れば合点がゆく。
映画は映像が大切だ…とは言うものの言葉をなくすのは工夫が必要。
セリフ回避のためと思われる演出も見られるが、喜怒哀楽で語られる話そのものは分かりやすい。
疑問に思う点もあるが、
ある種の寓話なのでリアリティは求めなかったのだろう。
しかし、男性にとっては痛い映画である。
勿論<男根>を切りとられるからでもあるが、家庭内…ひいては社会的にも
諸悪の根源は<男根>にあるとでも言わんばかり。
性欲は三大欲求の一つだからそう簡単になくすわけにもいかないが、なくなれば平和になるのかね。
もっともなくなったら子孫が絶えてしまうが…。もしかしたら、今の人間社会は滅ぶべきという婉曲なメッセージなのだろうか…。
真偽のほどは不明だが、快楽と苦痛の関係性の記述は興味深い。
家族のつながりを<メビウスの輪>に例えるために考え抜かれたアイディアがギドクらしい。
解決の先にやりきれなさが残る…。
愛と狂気は紙一重、狂気にとりつかれた
母親を演じたイ・ウヌが圧巻。
12月6日より公開
先駆けて監督来日によるイベント上映あり。(9月30日 19時からだがチケットは残っているかな?)
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