『
この庭に死す』@三大映画祭週間2014(レトロスペクティヴ・シリーズ)
ルイス・ブニュエル監督、メキシコ時代の作品。
ソフト化されていないためか、年配の映画ファンらしい客層で賑わう。
おそらく代表作というほどではあるまいが、それゆえに特質が分かりやすい…かもしれない。
(この後に『ナサリン』や『ビリディアナ』が発表される。…見てないけど。汗)
無神論者として知られ、数々の作品でキリスト教に対して批判的なスタンスを見せるブニュエルだが、ここでもその一端は感じ取れる。
鉱山を政府が横暴な手段で庶民から剥奪し、なおかつ抵抗するものは冤罪でもなんでも容赦しないという中、流れ者のシャークが山師たちの反乱騒動に巻き込まれて命からがらサバイバルする話。
はからずも行動を共にすることになったメンバー構成に意図を感じる。
シャークのほかに商売女ジン、口のきけない娘マリアとジンに惚れている父のカスタン、それにリザルディ神父。
全員がそれぞれに希望を密かに持って生きているのだが、神父の所業を垣間見るに行動そのものには純化された美しさを称えつつも宗教の限界を感じていたのではないかと思われる。
もちろん悪政は否定する。だが、宗教が万事解決してくれるのかという疑問を抱いているのだろう。
前半の反乱シーンがウソのようにジャングルで壮絶なサバイバルを繰り広げる後半だが、最後の取捨選択を見るに<未来への希望>は“この辺”にあると考えているのか。
シュールレアリズム作家らしさは蛇のシーンによく出ていたように思う。
生き延びるためには立場を超えて協力し合っていたのに、絶望に飲み込まれてゆくと他人を巻きこむ人間の弱さに対する痛烈な批判も感じる。
私はこれで終了予定だが、今週末まで東京は上映。
なお三作品(『フットノート』『恋恋風塵』『ヴィクとフロ 熊に会う』)は追加上映が決まったそうです。
興味のあるお方は…。
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