『
フットノート』@三大映画祭週間2014
研究者にライバルはつきもの。
ライバルが自分を高めてくれると言っても過言じゃない。
しかし、それが身近な存在。家族の誰かだったら素直に評価できるだろうか。
劇中で論じられるのは「タルムード学」という少し馴染のない学問だが、ユダヤ教では旧約聖書をわかりやすく説明したのがタルムードだという。
それだけ権威も歴史もある大切な学問なのだろう。
シュコルニック親子は共にタルムード研究で有名らしい。しかし、父親エリエゼルの方は厳格で人付き合いが苦手…簡単にいうと偏屈オヤジ。方や息子ウリエルは如才なく周囲に溶け込める、いわば世渡りのうまい性格。
才能・実力があるのに愛されない人物って世間でもよくいるけど、純粋に研究の分野だけならそれでもかまわないだろう。問題は人間力が試される場面。
本当は息子がとるべき賞を誤って父親が受賞したと報告が入る。
まるでプライドの塊で有頂天の父にだれがどうやって真実を伝えるか。
この辺の駆け引きが見どころで、親子の性格の違いやら過去の確執などが沸き上がり学会の裏側を巡るきな臭い出来事となる。
形骸化する権威に対する最大の皮肉を表す演出だが、
外見だけ大きくて立派な学会の建物に比べて相談する部屋の矮小さが内実となる体質そのものを嘲笑っているようだった。
冒頭の長回しで息子が表彰されるシーンの父親の苦々しい表情は最高。(笑)
ただ、
父親は本当に才能がある人物であることが実証されてしまうシーンには思わず唸った。
タイトルのフットノートとは脚注のことで、これで父親は認められたということ。
しかし、あくまでも注釈であり、本文ではないということなのか。いや学問の世界の評価は分からない…。
息子役の俳優が老けて見えて、親子という設定がピンと来なかったけど出演時は40そこそこなんだ。外見ではわからないなぁ…。
2011年、カンヌ国際映画祭脚本賞受賞
ログインしてコメントを確認・投稿する