『
ヴィオレッタ』
迷走しているかな…それが第一感。
1977年に発表されセンセーショナルな話題を振りまいた写真集「エヴァ」の内幕を描いた自伝的映画。
当時被写体だった少女エヴァ・イオネスコが大人(アラフィフ)になり監督・脚本を務めた作品。
映画ファンにはむしろ同年の
『思春の森』主演と言った方が通じるか?
写真集や映画により良くも悪くも一躍時の人となったエヴァ・イオネスコだが、近年になり強制的にヌードを撮影されていたと実の母イリナ相手に告訴したことでも話題になった。
デカダンとロリータを融合した世界は、なるほど時代の先駆的な位置づけだし、センセーショナルさは今でも色褪せない。
「子供時代を奪われた」という悲劇は理解できるものの、母親との関係が今一つピンと来ない。
芸術家を気取る母親アンナ(劇中の名前)のカメラマンとしての腕前はこの退廃的な演出があってこそという印象もぬぐえず、彼女の抱える闇が終盤にちらりと顔をのぞかせるに至っては、「遅かりし…」と思わざるを得ない。
原題が『My Little Princess』なので、本来は母親視点の話じゃないのか?
上記の母親の闇を前面に出して描いたらもっと深みが出たようにも思うのだが…。
ただ、それではまるで違う趣旨の話になるであろうが。
そもそも母アンナがなぜ娘ヴィオレッタを食い物にしているのかが理解できなかった。
互いに距離を置きながらも、他に頼るものがない孤独さからいつしか寄りかかりあうということ?
身勝手な親の負の連鎖を嘆く話?
いずれにしろ二人の内心に切り込んでいれば、もっと登場人物に感情移入できたようにも思えてならない。
さすがにご時世だから、児童ポルノに抵触するようなショットはギリギリ回避しているが、ヒロインを務めたルーマニア出身のアナマリア・ヴァルトロメイの美少女ぶりは眼福である。
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