mixiユーザー(id:11939455)

2014年04月13日01:20

71 view

『ブルー・ジャスミン』

『ブルー・ジャスミン』

 セレブ人生から転落してもなおセレブ気分が抜けず、ありもしない一発逆転劇ばかり夢見ているダメ人間<ジャスミン>に名優ケイト・ブランシェットが命を吹き込む。
タイトルのブルーは憂鬱な意味でのブルーだが、むしろジャスミン自身が周囲をブルーに染めている。

 ニューヨークとサンフランシスコを舞台にしたウディ・アレンの新作のヒロインはズバリ痛い人間。冷や汗
ハンサムで実業家の夫ハル(アレック・ボールドウィン)と、頭脳明晰で有名大学に通う息子を持ち、何不自由ない暮らしだったのが「身から出た錆」でどん底に叩き落される。
何事も形から入り、外見や肩書ですべてを判断するジャスミンにとっては<過去の栄光>しか財産はなく、虚栄心だけが支え。
自分の本名が<イケてない>からと改名しただけで<新しい自分になれた気分>になる頭の悪さ。
現実とのギャップを妄想力が埋めているといっても過言じゃない。

 血のつながらない妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)は対照的な人物で、とても同じ家庭に育ったとは思えないほどチャーミングな女性。
少なからず彼女の人生に影響を与えてきたにも関わらず、ジャスミンは加害者の自分はさておき、常に被害者の側面しか頭にない。
オツムが空っぽなジャスミンは、生活のために職が必要なのにも関わらず「頭を使わない仕事は嫌」と自己矛盾にも気が付かない。ふらふら
もっとも気が付かないから空っぽなのだろう。(苦笑)

 ジャスミンが不幸なのは裕福なセレブ生活を失ったからじゃなく、<今>を受け入れられないから。
どん底にいる<今>を受け入れられない限り再スタートはできない
。
虚飾を身にまとい、堕ちてゆく愚かな人間を迫真の演技で魅せたケイト・ブランシェット(…あるいは引き出したウディ・アレン監督の手腕)に拍手。

 シニカルな言い方をしてしまったが、誰しもが小さなブルー・ジャスミンを抱えているのじゃないだろうか…。あせあせ(飛び散る汗)

フォト


5月10日より公開
8 8

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2014年04月>
日 月 火 水 木 金 土
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   

最近の日記