『
HUNGER / ハンガー』
『それでも夜は明ける』のオスカー受賞で、日本では未公開だったS・マックイーン監督の映画が公開になる。(2008年の東京国際映画祭では上映済み。)
まさに夜は明ける…だ。
時は1981年、IRA過激派<ボビー・サンズ>がメイズ刑務所で弾圧された出来事を描いている。
昔も今もこの監督はスタンスにブレがない。
時代は、涙なんか一粒も見せない鉄の女サッチャー首相のころ。
過激派である彼らに大義名分を与えないために<政治犯>という衣を剥ぎ取る政治的判断をする英国。
面白くない囚人たちは結束して断固戦うのだが、力にはより強い力で抑え込まれる。
かくして
非暴力による抵抗<ハンガーストライキ>を計画する。
S・マックイーン監督の長編デビュー作であるが、すでに生涯のテーマとなりそうな“自由のための戦い”が描かれる。
拷問に耐えるシーンの生々しさも印象に残るが、同じアイルランドの神父と討論する長回しショットは実に濃厚。
余計な台詞をそぎ落とした脚本も見事である。
タイトルのハンガーはもちろん<ハンガー・ストライキ>のことであるが、一方では勝利のためのハンガーであり、デビューとなった監督自身の渇望でもあろう。
しかし、
主人公ボビー・サンズを演じるマイケル・ファスベンダーの献身的な役作りを見たら、S・マックイーン監督のみならずずっと使いたくなるだろう。
それぐらい圧倒的な存在感で、信念の炎を瞳の奥に見せつつ狂気をまとい、ガリガリになってゆく様は芝居とわかっていても目をそらしたくなる。
弾圧する刑務官も過激派と呼ばれる彼らもどちらも同じ人間…、殴られる方も殴る方も痛みを伴っていることが客観的に感じられて良い。
幻想的なまでの美しさを見せるカメラワークも特筆もの。
重苦しい題材だし、日本人にはピンと来ない出来事かもしれないけど、北アイルランド問題に興味がある人なら一見の価値はあると思う。
もちろん、ファスベンダーやS・マックイーンのファンも。
ところで、これはアマゾン・インスタント・ビデオで拝見したのですが、チ○コがぼかしだらけでした。(笑)
『SHAME』でもファスベンダーはもろだししていたよね?(日本じゃぼかし入るけど)
今回はどうなんだろう?東京国際映画祭ではどうだったんだろう?
(明日からシアター・イメージフォーラムで一般公開)
ログインしてコメントを確認・投稿する