『
オール・イズ・ロスト 最後の手紙』
『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』や『ゼロ・グラビティ』と近年のハリウッド映画には<一人で極限状態を生き抜く>というサバイバルものが流行。
本作もそのひとつといえるが、隠された意図は意味深である。
映画はロバート・レッドフォード演じる<男>が単独でインド洋を航行中に破船して漂流するというものだが、海上という設定ゆえ上記の『ライフ・オブ・パイ…』や『キャスト・アウェイ』が想起されるのは仕方あるまい。ただ、この作品には<トラ>も<バスケットボール>も出てこない。
ひたすら孤独に耐えながらサバイバルする姿が映し出されるだけ。
この上なくシンプルで<独り言>も言わずに黙々と作業をするだけなので、観客は心のうちを想像するほかない。
サバイバルに特化した物語に登場するのは<男>のR・レッドフォードほぼ一人きり。
映画全体を世界の経済状況の暗喩と見れば、<沈没しかける船>がどこを指すのかはおよそ想像がつく。
破船した原因に注目したい。コンテナの衝突なのだが、
ポイントはその国籍にあるのではないか。
そして欧米経済が行き詰まりを見せる中で、期待が高いのはインド洋近隣の国々であるということが<ラスト>につながるのか…などと考えてみた。
そういう裏読みはさておき娯楽としても楽しめるのが良い。
次から次へと訪れる危機に立ち向かい、わずかな希望でも捨てずに必死に生きようとするレッドフォードの姿には思わず身を乗り出してしまう。
(ただ、レッドフォードでは絶望感や悲壮感が弱いのが玉に瑕。)
美しさを見せ付ける海中でも過酷なサバイバルは常に行われている。
慢心している文明社会に住む人間は戒めを持たなければならないのかもしれない。
大自然を余すところなく捉えた撮影が良い。特に水中カメラマンピーター・ズッカリーニ(『ライフ・オブ・パイ…』など)の映し出す神々しい光景は特筆もの。
控えめなBGMも好感持てる。
でも、サブタイトルは蛇足でしょ?(苦笑)
3月14日より TOHOシネマズ シャンテ、新宿シネマカリテ
余談だけど、台詞の量で翻訳家の料金は違うのだろうか?
同じ料金ならこれはオ・ト・ク。
真相が気になる…。(笑)
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