第14回TOKYO FILMeX2013
『
祭の馬』
「馬並ね」
この言葉からナニを想像するかは自由だが、まさにこれはナニの話である。(笑)
放射能汚染というありがたくないことで有名になってしまった福島県。
このドキュメンタリーの松林要樹監督が震災後に支援物資を届けるために避難地区に入って、偶然<
イチモツが腫れ上がってしまったお馬さん>を発見してしまったところから企画が始まる。
これは一頭の数奇な運命を辿った馬の話。
イチモツの腫れた直接の原因は放射能ではないが、震災が遠因ではある。
元々競走馬として生まれ育てられた<ミラーズクエスト>号は結果が出ないばかりに、神事の後でいずれは
肉用として供されるべく福島の相馬に来た。
だが被災し、放射能汚染のため肉になることすら叶わなくなった。
まるで行政に振り回されて右往左往し受け皿がなくなった被災民を鏡で映したような存在となってしまった。
思わぬ形で命を永らえることになったミラーズクエスト号は他の馬と共に<相馬野馬追>に向けたクエストが待ち受ける。そこには自身の希望と被災地の希望が重なる。
悲劇のイチモツと原発とのあざといカットは少し強引なようで惜しまれるが(エンディングにかかるウイグル地方の曲も対訳がないと分からない)、震災直後の被災地の映像は見るに耐え難いインパクトを残す。人間も馬もただただルールだからということだけで蔑ろにされる悲劇に心が痛む。
方言丸出しなので、分かり辛い点には字幕がつくのだが、それでもまだ不明な箇所が多いと思う。
思い切って全部つけても良かったのではないかな?
(幸い、私は生まれが近いのでなんとなくは聞き取れましたが…)
馬が好きな人も、そうでない方も。
(12月14日から一般公開)
上映後には監督のQ&Aがあり、今話題の『特定秘密保護法案』に関して色々とレクチャーされました。
今回のような手法での取材は今後出来なくなる可能性があるということ。
被災したお馬さんたちが一時的に身を寄せていた場所が国の管理地で、しかも公表してはならないという話だったそう。
いつに増して外国人の観客が多く、(英語字幕つきでした)質問ではたくさんの挙手が…。
日本人の問題意識は『特定秘密保護法案』の方に比重があり、外国人のケースは明らかに放射能問題にあったように感じた。
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