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2013年09月02日02:30

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『White Tiger』(原題:Белый Тигр/Belyy tigr)

 昨日の『コン・ティキ』は第85回アカデミー賞外国語映画賞ノミネートの一つだった。
選考基準が良く分からないけど、なぜ<選外>になったか首をひねりたくなるものも…。
第85回アカデミー賞外国語映画賞出品作一覧

 最終ノミネートは知っての通り『愛、アムール』(受賞)、『魔女と呼ばれた少女』、『NO』、『ロイヤル・アフェア/愛と欲望の王宮』、そしてこの『コン・ティキ』だ。
ノミネート5作品とそれ以外に9本見ているけど、中でも意外な落選は『最強のふたり』、『嘆きのピエタ』。
この二つを入れて争ったらさぞかし面白かっただろうに…。がく〜(落胆した顔)

 さて、そんな落選組から日本公開されそうにない1本を紹介。
ロシア代表の『White Tiger』(原題:Белый Тигр/Belyy tigr) 。

 現在、戦争シーンを描かせたら欧州では最もリアルで重厚かもしれないロシア映画界が贈る第二次世界大戦を題材にしたファンタジー。

 大戦末期の1945年春、ベルリンへ順調に軍を押し進めていたソ連。
だが、彼らの前に立ちはだかる一輌の<ティーガー戦車>。
白く迷彩が施されたその戦車は、神出鬼没でたった一輌にも関わらずソ連軍を壊滅状態にしてしまう。
全身にやけどを負い瀕死の状態だったのだが運良く奇跡的回復をしたソ連の操縦手ナイデノフが<白虎>に復讐の念を燃やす。奇跡の生還をしてからこの男にも不思議な力が身につき、戦車と念を交わすことが出来るようになったのだ。

 謎の白虎の存在と目的が最大のミステリーになるが、その答えは生き残った男ナイデノフにあるのではないか?
一度、死ぬ程の火傷を負いながら助かるのはセカンドチャンスを得ているということ。
それが証拠に、この兵隊は火傷で名前も記憶も何もかも失い、一度完全にリセットされるのだ。
(ナイデノフという名前は後から付けられた名前で、戦車の“内部”から発見されたことのロシア語の音から来ているようだ。)
破壊された戦車の痛みを理解し、白虎の意図を汲み取ることが出来たならばナイデノフには別の結末が用意されていたのではないだろうか。

 誰もが戦争は悪しきことで避けるべきと思っても、その実 単純ではないという<戦争という魔物>についてとくとくと語られるシーンに善悪を超えた含みがある。
人間が愚かであり続けるのか、歯止めをかけるのかは我々自身にかかっている。

 登場するT-34はじめ本物のソ連軍の兵器が見応え十分。指でOK
問題のティーガーは“あり物”のロシア戦車にデコレーションしただけのようで、それを隠すために足回りに(特徴あるティーガーの履帯がばれないように)“シュルツェン(エプロン)”を装着している。
それでも実際に駆動する戦闘シーンは迫力がある。

 戦車に女を連れ込む砲手と、大酒飲みの装填手がユニークな味付け。
おかしい場面であるが、これも苛酷な戦争を直視できない人の心を例えているのではないか。

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