『
ワールド・ウォーZ』
息をするのを忘れていた…、3分の2くらいまでは。
昨今、米国でゾンビブームは感染拡大しているとは聞いていたが、まさかこれほど大バジェット映画まで作ってくるとは恐れ入る。
どうしても日本では<特定のファンのジャンルムービー>としてのイメージをもたれるためか、宣伝には一切ゾンビのゾの字も使われないが、どうなのかねぇ。
<オオカミ少年>は互いの信頼感をなくしかねないと思うが…。(既にない?)
冒頭から小気味よいほどのゾンビ映画で、
ロメロ・タイプのノロノロゾンビではなく素早いゾンビなので簡単には勝てそうにない。
ゾンビ映画とはいえ、基本的にはパニック的演出に主眼があり、<ウィルスが人間の形をしたパンデミック物>という見方をすればゾンビ(ホラー)が苦手で入り込めない人にも理解されやすいのではないか?
タイトルの“Z”はもちろんゾンビ(Zombie)の“Z”であろうが、一方ではアルファベットの最後であることから<終末論>を意味するのだろう。それは
ブラッド・ピット演じる元国連捜査官ジェリー・レインがキリストのメタファーと思われることと無縁ではあるまい。(ヘアスタイルとヒゲ、ピンチを切り抜けるアイディアで確信。)
プロデューサーと主演を務めるブラッド・ピットとマーク・フォスター監督とがラストシーンについて大もめにもめたという話が伝わるあたりからも迷いがあったであろうことが分かる。
どちらの案で落ち着いたのか不明だが、今ひとつありきたりな印象でスッキリしなかったのが残念。
これでは社会の権力の構造は変わらないままで、製薬会社がスポンサーについているのかとさえ疑いたくもなる。
とはいえ、VFXやカメラワーク、編集などの力量で見応えのあるパニック物であることは間違いない。
ゾンビとの<ダルマさんが転んだ>ごっこは緊張感ある中で笑える箇所だった。
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